■「誰トク」な不正が起きてしまった
前述したとおり今回の不正は本当に「誰トク」状態なもの。今回の不正の対象となっている150系プラドのみならず、現在販売中(現状厳しいが)の再再販ランクル70、そして今後発売のランクル250にも使われる1GDエンジンにとっては、とんだとばっちりだ。
現状では再再販ランクル70の1GDエンジンについては不正の対象外となっているが、これは豊田自動織機がトヨタ側へデータを提出した時期の相違によるものかもしれない。ただこのような事案が発生すると、市場では「実はランクルってなんかスペック詐称をしているのでは」という懸念が生まれてしまったのも事実。
ランクル300、LX500dについては現行販売車種であり、納車待ちのユーザーにとっては納期遅延などたまったもんじゃないというのが本心だろう。繰り返しになるがスペック自体はカタログどおりであり、ただ豊田自動織機-トヨタ間で共有されたデータについて不正があったという事実は理解しておきたい。キャンセルはもったいない。
■ランクルが歩むべき道とは
今回はトヨタ本体のランドクルーザー開発現場での不正というわけではなく、エンジン開発を依頼されていた豊田自動織機での不祥事だ。逆に言えばこれはランドクルーザー自体の不正ではないという免罪符にもなるが、いかんせん開発陣からしたって悔しい思いはあるだろう。
今回このような不正が明るみになったことは、一連の不正発覚を経て、自浄作用としてウミを出し切った形だ。しかもランクルのみならずハイエースなども含まれるとなれば、全幅の信頼を置いていた消費者にとっても大ショックなハナシ。
今後は二度と過ちが繰り返されないことを願うばかりだが、そんななかでもランクルは世界中で走り続ける。そして新型の250も控えている。こうなってしまえば今回の不正発覚をしっかりと反省点として認識し、これまで以上の品質でまた信頼を勝ち取るしかない。
73年目のランクルの歴史はあらぬ方向で始まってしまったが、また孤高のオフローダーとして君臨し続けるためには進化を臆せず、開発は絶対にとめてはならないと思う。
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