■ホンダが全開で挑む新たなEV計画
このCESが開催される直前の1月8日のある経済紙に「ホンダ、カナダにEV新工場」というスクープが躍りました。
この話題性とともにホンダは「ゼロシリーズ」と銘打った2つのEVを発表し、4年ぶりに復帰したショーの主役の一翼を担うことになりました。
アナリスト的に考えれば、実はこのカナダ新EV工場はそれほどのサプライズではありません。
ホンダは2030年までに世界200万台のEV販売台数を目標に置き、そのうち80万台を北米で生産する考えです。
40万台分に相当するオハイオ工場は2026年に稼働し「ゼロシリーズ」やAFEELAを生産することが決まっています。
その次をどうするかの決断を促したのが、昨年公表されたGMと共同で2027年の導入を目指していた、CR-Vクラスの次期中型EVの開発中止です。
それをカバーするために2030年頃までに計画していた独自の次世代EV開発と新工場建設を2028年に早めたということです。
米国ではEV需要は想定よりも弱く、早い段階で新商品に飛びつく「アーリーアダプター」の需要が一巡し、金利上昇、景気悪化に伴う消費者マインドの悪化が想定より早い踊り場を呼び込んでいます。
そこにトランプ元大統領の次期候補指名への動きも加わり、EV普及の先ゆきには大きな不透明感が漂います。
カーボンニュートラルを実現するにはEVの普及は不可欠と考えるホンダはここが挽回をする好機だと考え、バイクメーカーらしくスロットルを全開にしたようです。
●中西孝樹(なかにしたかき):オレゴン大学卒。1994年より自動車産業調査に従事し、国内外多数の経済誌で人気アナリスト1位を獲得。著書多数
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