ホンダ車の「△マーク」、トヨタ車の「小さい羽」、これ…どんな意味が…?

フロントバンパー左右両端にある「穴」は燃費改善のため

 また、最近の国産車では、フロントバンパーの左右両端に穴が開いていることがあります。この穴は、空気を取り込むエアインテーク。フロントタイヤのホイールハウスへと、空気が抜けるような形状になっています。

 その目的は主に燃費改善。エアインテークから取り込まれた空気が、フロントタイヤのインナーフェンダー側へと導かれ、フロントホイールの真横へと放出されることで、フロントホイールの側面をカーテンのようにブロック。こうして空気の流れを整流することで、タイヤ周りで発生する空気の乱れを抑え、空気抵抗を低減、燃費改善へとつながるのです。空気でカーテンをするため「エアカーテン」ともよばれます。

 前輪に採用されることが多いですが、レクサス「LC」やホンダ「クラリティPHEV」では、クルマの後輪にも装備されています。

日産車では、ノートオーラ、セレナ、アリア、サクラなど、多くの車種にこのエアインテークが設けられている(ノートは2023年12月のマイチェンで廃止となった)
日産車では、ノートオーラ、セレナ、アリア、サクラなど、多くの車種にこのエアインテークが設けられている(ノートは2023年12月のマイチェンで廃止となった)

ボンネットの小さな穴は、廃熱のため

 穴といえば、大排気量エンジンを搭載するスポーツカーのボンネットにも、穴が開いていることがあります。NACAダクトとよばれるもので、日産のR35型GT-Rに装備されています。先代であるR34型スカイラインGT-Rの時代には1か所でしたが、R35型になって2か所へと増えました。

 NACAダクトの目的はエンジンの廃熱。排気量3.8L V型6気筒ツインターボエンジンで、時速300kmという超高速巡行をこなすGT-Rでは、エンジンから排出される熱は相当なもの。エンジンルーム内に熱がこもってしまうと、パーツが劣化したりや溶損したりなどの熱害が起きかねません。それを防ぐため、フロントグリルからエンジンルームに空気を取り込み、NACAダクトから空気を排出することで、廃熱させているのです。GT-Rには無くてはならない空力アイテムです。

R35GT-RのボンネットにあるNACAダクト。R34型スカイラインGT-Rの時代から装備されるようになったNACAダクトは、R35で2カ所となった
R35GT-RのボンネットにあるNACAダクト。R34型スカイラインGT-Rの時代から装備されるようになったNACAダクトは、R35で2カ所となった

ハイテクデバイスに頼らないところがすごい!!

 これらが凄いのは、電動式のハイテク装備に頼っていないこと。コストを最小限に抑えて効果を発揮するこれらのアイテムは、まさにエンジニアたちの知恵と経験の結晶。次はどんなアイテムが登場するのか、今後も非常に楽しみです。

【画像ギャラリー】高速直進安定性を向上させる「エアロスタビライジングフィン」を装備する主なトヨタ車たち(37枚)画像ギャラリー

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