フロントバンパー左右両端にある「穴」は燃費改善のため
また、最近の国産車では、フロントバンパーの左右両端に穴が開いていることがあります。この穴は、空気を取り込むエアインテーク。フロントタイヤのホイールハウスへと、空気が抜けるような形状になっています。
その目的は主に燃費改善。エアインテークから取り込まれた空気が、フロントタイヤのインナーフェンダー側へと導かれ、フロントホイールの真横へと放出されることで、フロントホイールの側面をカーテンのようにブロック。こうして空気の流れを整流することで、タイヤ周りで発生する空気の乱れを抑え、空気抵抗を低減、燃費改善へとつながるのです。空気でカーテンをするため「エアカーテン」ともよばれます。
前輪に採用されることが多いですが、レクサス「LC」やホンダ「クラリティPHEV」では、クルマの後輪にも装備されています。
ボンネットの小さな穴は、廃熱のため
穴といえば、大排気量エンジンを搭載するスポーツカーのボンネットにも、穴が開いていることがあります。NACAダクトとよばれるもので、日産のR35型GT-Rに装備されています。先代であるR34型スカイラインGT-Rの時代には1か所でしたが、R35型になって2か所へと増えました。
NACAダクトの目的はエンジンの廃熱。排気量3.8L V型6気筒ツインターボエンジンで、時速300kmという超高速巡行をこなすGT-Rでは、エンジンから排出される熱は相当なもの。エンジンルーム内に熱がこもってしまうと、パーツが劣化したりや溶損したりなどの熱害が起きかねません。それを防ぐため、フロントグリルからエンジンルームに空気を取り込み、NACAダクトから空気を排出することで、廃熱させているのです。GT-Rには無くてはならない空力アイテムです。
ハイテクデバイスに頼らないところがすごい!!
これらが凄いのは、電動式のハイテク装備に頼っていないこと。コストを最小限に抑えて効果を発揮するこれらのアイテムは、まさにエンジニアたちの知恵と経験の結晶。次はどんなアイテムが登場するのか、今後も非常に楽しみです。
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