「なんでこうなった!?」 開発した人を小一時間ほど問いただしてみたい、でも憎めない「ざんねん」なクルマたち、エピソードを集めた『ざんねんなクルマ事典』『ますます! ざんねんなクルマ事典』(小社刊)。
日本のクラシックカーや絶版車、珍車についての知識にも定評あるモータージャーナリスト、片岡英明氏監修による本書から、良質コンパクトや最強ステーションワゴンなど、惜しくも消えた三菱の佳作3台をご紹介!
監修/片岡英明、写真/三菱
■本格派ではないこともバブルの時代までは気にならなかったが…… 三菱 GTO(1990-2001年)
●車台は4ドアセダンからの流用だった280ps車
バブル景気で潤っていた1980年代終わり頃、各社はさまざまなスポーツカーを発表しました。そのなかのひとつが、1990年10月に発売された三菱 GTOでした。
ミドシップレイアウトのフェラーリを思わせるクーペボディは全長4555mm×全幅1840mm×全高1285mmという堂々たるサイズ。
搭載されるエンジンは、当時の自主規制値いっぱいの最高出力280psを発生する3L V6ツインターボと、同エンジンの自然吸気版(最高出力225ps)。駆動システムは前後トルク配分を45:55に設定したフルタイム4WDで、ドライブシャフトには国産車初の高張力鋼材を使用。
そのスペックは一見するとかなりの本格派でした。
しかし三菱 GTOは「本格スポーツ」ではなく、車台は4ドアセダンである三菱 ディアマンテから流用したものでした。
バブル景気とスポーツカー人気が続いていた時代は良かったのですが、景気とブームが去ると、そのあたりの“偽物感”ゆえに販売は失速してしまいました。
・発売年月:1990年10月
・エンジン種類:V6 DOHCツインターボ
・総排気量:2972cc
・最高出力/最大トルク:280ps/42.5kgm
・全長×全幅×全高:4555×1840×1285mm
・車両重量:1700kg
・諸元記載グレード:1990年式 ツインターボ
●ざんねん度:★★★★★
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