■「2階建てエンジン」は2代目ターセルにも継承
縦置きの理由には「FR用トランスミッションのパーツが流用できる」という事情もあったかもしれない。
とはいえターセルのトランスミッションは特殊で、ミッション内部でUターンさせたエンジン出力をエンジンの下に設けたデフに送り込む構造だった。その結果ターセルはエンジン高が高くなり、フロントセクションにどこか「ぼってり感」を感じるクルマだったことも確かだ。
しかしそんな事情もなんのその。ターセルは前輪駆動車最大の強みであるキャビンの広さをしっかりと実現したクルマでもあった。それはホイールベースの長さで分かる。ターセルの全長は4mに満たなかったが、ホイールベースが2500mmもあり、家族4人がゆったり座れる室内を備えていたのだ。
結果としてこの「2階建て縦置きエンジン」は、次の2代目ターセルにも継承され、トヨタのファミリー層向けエントリー車としての役割を見事に果たした。その存在は、FF車の進化の過程を語る貴重なものといえるかもしれない。
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コメント
コメントの使い方昔は自動車税の区分は排気量だけではなく、ホイールベースも関係していた。だが、「小型車なのに普通車並みにホイールベースが長い」このクルマが発売された翌年、自動車税の区分は排気量だけで分けられるようになった。
昔、FFで直列5気筒縦置きのラファーガ2乗ってた
初代インスパイアなんか直列5気筒縦置きFF・ドライブシャフトがオイルパンを貫通してた。