中国では、大型車の脱炭素対策としてディーゼルのクリーン化に取り組んできたが、ここへきて軽油からLNG(液化天然ガス)に燃料を切り替える政策を進めているようだ。大型車市場も中国国内メーカーがアドバンテージを握るのか!?
※本稿は2024年12月のものです
文:角田伸幸/写真:いすゞ
初出:『ベストカー』2025年1月10日号
■中国で商用車の燃料がLNGにシフト
中国の乗用車市場は地元勢が優勢な状況。日本を含む外資勢はじわじわと縮小を強いられている形だが、同様の事態が商用車でも起きるかもしれない。中国政府が大型トラックの使う燃料を、軽油からLNG(液化天然ガス)に切り替える政策を進めているためだ。
これまで中国の大型車の脱炭素は、ディーゼルのクリーン化を進めつつ電動化を待つものと思われていた。ところがここへきてLNGの導入が促され、ディーゼル車に注力していた外資系トラックメーカーは路線変更を迫られているのだ。
その背景だが、中国の安全保障が関係あるという。中国は原油をロシアや中東に頼っているが、LNGはパイプラインを通じてミャンマーや中央アジアから直接供給されていて、国際情勢の影響を受けにくい。価格も軽油より安いため、軽油からの置き換えが進んでいるというのだ。
LNGはクリーン燃料でもあり、トラックメーカー各社は開発を進めてはいる。とはいえ緊急で中国の大量需要に応える力はなく、ヘタをするとまた、中国メーカーにシェアを奪われかねない。対策を急がねば!
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