5月の日産の決算会見の席上、西川社長から「アメリカでは日産車の「車齢」(デビューから現在まで)の長さが販売不振を招いている」とのコメントがあり、思わず「は? 今さら?」と心の中で突っ込んでしまった。
なんでもアメリカでは現行モデルの平均車齢が5年を超えているとかで、それを数年かけて3.5年程度に引き下げる方針らしい。
翻って、我が日本市場はどうなのか。商用車とOEM車を除く日産の現行モデル20車の車齢を調べたのが下の表だ。長い、長いとは言われてきたが、改めて数字にするとなかなかの衝撃度がある。
〈日本市場における日産車の車齢(長い順)〉
●GT-R…2007年12月(11年6カ月)…2014年2月 NISMO発売
●キューブ…2008年11月(10年7カ月)…2012年10月 マイナーチェンジ
●フェアレディZ…2008年12月(10年6カ月)…2013年6月 NISMO発売
●NV200バネットワゴン…2009年5月(10年1カ月)…2015年6月 NV200タクシー発売
●フーガ…2009年11月(9年7カ月)…2010年11月 ハイブリッド発売
●ジューク…2010年6月(9年)…2013年2月 NISMO発売
●マーチ…2010年7月(8年11カ月)…2013年6月 NISMO発売
●エルグランド…2010年8月(8年10カ月)…2014年1月 マイナーチェンジ
●シーマ…2012年4月(6年2カ月)…2017年6月 マイナーチェンジ
●NV350キャラバン…2012年6月(7年)…2017年7月 マイナーチェンジ
●ノート…2012年9月(6年9カ月)…2016年11月 e-POWER発売
●シルフィ…2012年12月(6年6カ月)…2015年8月 Sツーリング発売
●スカイライン…2013年11月(5年7カ月)…2014年5月 200GT-t発売
●エクストレイル…2013年12月(5年6カ月)…2015年5月 ハイブリッド発売
●ティアナ…2014年2月(5年4カ月)…2015年2月 エマージェンシーブレーキ設定
●デイズルークス…2014年2月(5年4カ月)…2016年12月 マイナーチェンジ
●e-NV200…2014年10月(4年8カ月)…2018年4月 一部改良
●セレナ…2016年8月(2年10カ月)…2018年3月 e-POWER発売
●リーフ…2017年10月(1年8カ月)…2019年1月「e+」発売
●デイズ…2019年3月(3カ月)
※本稿は2019年6月のものです
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年7月10日号
■最新デイズを入れても平均車齢なんと7年!
10年を超えているのがキューブ、フェアレディZ、GT-R、NV200バネットワゴンと4車あり、8年超えはマーチ、フーガ、ジューク、エルグランドの4車。
20車中、じつに8車が登場から8年を超えているのだ。
平均車齢はなんと7年! 最も新しいデイズの3カ月を入れての平均だから、どれだけ放置されてきたかがよくわかる。
先日2020年モデルが登場したGT-Rのように、車齢は長いがマメに改良されているクルマもあれば、ノートのようにe-POWERを設定したり、エクストレイルのようにハイブリッドを新たに作って搭載したクルマもある。
それにしてもフルモデルチェンジではないのだから新鮮味は劣る。日産ファンは誰も納得していないだろう。
特に、台数を稼ぐのに販売店にとって重要な存在であるコンパクトクラスがマーチ8年11カ月、キューブ10年7カ月と、まさに「放置されっぱなし」なのは理解に苦しむところだ。
ベストカーでは、以前から「日産は新車を出さない」とぼやいてきたが、やはり日本市場を軽視していたことがよくわかる。
ゴーンの独裁が終わって、これがどう変化していくのか。少しは日本市場も大切にしてくれるのか、それとも新型車はアメリカ、中国を中心に構成されるのか?
うわべだけの返答ではない、本当の戦略を聞いてみたいところだ。
コメント
コメントの使い方