コンパクトカーの優位性は走行性能や乗り心地にあり!
一方、走行性能はコンパクトカーのフィットが優れている。まずは車両重量を比べると、軽自動車のN-BOXはNAエンジンのカスタム「G・Lホンダセンシング」が900kgで、フィット「13G・Lホンダセンシング」は1060kgだ。N-BOXの車両重量は、フィットの85%になる。
この比率に比べると、エンジンの排気量はN-BOXが658cc、フィットは1317ccだから、N-BOXはフィットのわずか50%と小さい。
加えて、N-BOXは背が高いから、空気抵抗も大きく、動力性能は大幅に下がってしまう。平坦な街中であれば、N-BOXでもパワー不足を感じないが、高速道路や峠道の登り坂では不満が生じやすい。
N-BOXにターボを装着すると、最大トルクが1.6倍に増えて1LのNAエンジンと同等の性能を発揮するが、それでもフィットの1.3Lエンジンに比べると加速力は下まわる。
走行安定性も同様だ。N-BOXの全高は、全幅の1.2倍に達するから不利が否めない。
仮に5ナンバーサイズの小型車で、全高が全幅の1.2倍であれば、全高の数値は2mを超えてしまう。背の高い軽自動車のプロポーションはかなり縦長だ。
N-BOXはホイールベースを長く設定して後輪の接地性を高め、不安のない安定性を発揮するが、峠道などを走るとフィットに比べて曲がりにくい。
乗り心地はN-BOXも相応に快適だが、フィットに比べると左右に振られやすい。
総合的に見てコンパクトカーを選ぶ価値はある?
つまり、N-BOXが有利なのは、居住性、積載性、乗降性、狭い道や駐車場の取りまわし性だ。維持費も少し安い。フィットは、動力性能、走行安定性、乗り心地で勝っている。
従って街中で日常生活のツールとして使うなら、N-BOXのような背の高い軽自動車が有利だろう。多少なりとも長距離を移動するなら、フィットのようなコンパクトカーを推奨する。
そして、どちらにするか迷った時は、コンパクトカーを選ぶのが良い。走行性能まで含めてさまざまな機能のバランスが優れ、特に危険回避性能など、安全面で有利になるからだ。天井が低ければ、立体駐車場を利用しやすいメリットも生じる。
N-BOXのような軽自動車は、先に述べた積載性や取りまわし性に強い魅力を感じた時に選ぶのが良い。
エンジンについては、軽自動車ではターボを積極的に検討する。動力性能が高まる割に燃費の悪化が小さく、価格は装備の違いを補正して4~8万円の上乗せに抑えているからだ。
ターボには高性能でスポーティなイメージが伴うが、軽自動車の場合は、エンジン排気量の不足を補う実用的なメカニズムだ。
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