RX-8 パジェロミニ サンバー ブレイド……10年前の日本車はこんなに面白かった!! 2012年の「消えていったクルマたち」10選

■最小クロカンとしての存在感、魂は残った 三菱 パジェロミニ(1994年10月~2012年2月)

三菱 パジェロミニ(1994年10月~2012年2月)。ジムニーと並んで軽サイズクロカンのなかでも存在感を放っていたパジェロミニも昇天
三菱 パジェロミニ(1994年10月~2012年2月)。ジムニーと並んで軽サイズクロカンのなかでも存在感を放っていたパジェロミニも昇天

 初代モデルの登場は1994年で、初代ワゴンR登場の翌年。意欲的な車種が次々と現われ、「軽自動車は凄い発展をする」と予感しました。

 660ccながら直列4気筒の20バルブツインカムターボも用意され、4WDには副変速機を装着。CMコピーは「走る精密機械」でした。内外装ともに上質で走破力も抜群。ジムニーほど硬派ではないが、生粋のオフロードSUVで、三菱の技術力に感心しました。

 2代目は軽自動車規格の一新に伴って1998年に登場。ボディがひとまわり拡大し、居住性や質感をさらに高めました。初代も含めて「いっさいの妥協をしない軽自動車開発」は、今日の繁栄の原点だと思います。

●生産中止理由

 2009年頃までは1カ月に約1000台を売りましたが、2011年頃から500台前後。プラットフォームなど他車との共通化が難しく、生涯を終えました。SUVでは健闘している部類。軽ではこの台数だと難しいのです。(生産台数:48万8901台)

■軽トラ&軽バン界のポルシェも天寿を全う スバル サンバー(1961年3月~2012年3月)

現在はダイハツ・ハイゼットのOEMとなっているサンバー。エンジンを床下に収納していた
現在はダイハツ・ハイゼットのOEMとなっているサンバー。エンジンを床下に収納していた

 日本が誇る最高の名車です。1961年発売の初代モデルから駆動力の伝達効率が高いリアエンジン方式を採用。1980年投入の4WDは、軽自動車の4WD仕様の先駆けでした。

 軽自動車は非力でタイヤも小さいのに、田畑の未舗装路を走る。そこで4WD。4輪独立式の足まわりによる優しい乗り心地と相まって、農作物を大切に運びました。

 1990年代には4気筒エンジンを搭載し、スーパーチャージャー仕様も設定。優れた技術力と品質でライバル車を大きく引き離しました。運送業の「赤帽」には、専用開発のエンジンも搭載されました。

●生産中止理由

 トヨタとの業務提携によってスバルの軽はダイハツ製OEMになり、サンバーは突然死のように生涯を終えました。

 今のサンバーはハイゼットの姉妹車ですが、2011年11月の販売台数は対前年比で17%。83%の顧客を失いました。販売店も大損害。今からでも蘇生させるべきです。(生産台数:369万5677台)

■ホンダ製サルーン総崩れのなかで…… ホンダ インスパイア(1989年10月~2012年8月)

ホンダ インスパイア(1989年10月~2012年8月)。アコードとレジェンドの中間に位置するミドルクラスサルーン。片バンクの気筒休止など独自技術もあった
ホンダ インスパイア(1989年10月~2012年8月)。アコードとレジェンドの中間に位置するミドルクラスサルーン。片バンクの気筒休止など独自技術もあった

「艶っぽい娘だなぁ」。

 1989年登場の初代インスパイアを見て、ため息が出ました。5ナンバー車でも、全高が1355mmと低く外観は伸びやか。前輪駆動なのに直列5気筒エンジンを縦置きにミドシップで積むため、ボンネットが長い。走りも滑らかでスポーティに操れる。艶っぽくて活発な都会のワンレン娘を連想させました。

 ところが市場調査で後席が狭いと指摘され、2代目は背が高くなりました。3代目からは北米志向を強め、2003年以降は北米版アコードとボディを共通化しています。

 2007年登場の最終型は、3.5Lエンジンで動力性能は充分。安定性も優れ、乗り心地は重厚です。後席も広く価格は割安。良妻賢母に成長しましたが、全幅は1800mmを超えて太り気味。艶っぽさは失われました。

 日本のLサイズセダン市場では趣味性が求められ、売れゆきは往年に比べて激減しました。

●生産中止理由

 2009年の後半から月販台数が100台以下の月も増え、フリードや同スパイクなどの新型車に押し出されて生涯を終えました。ひっそりと静かな最期でした。(生産台数:31万827台)

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