■もし現代版のパイクカーを提案するなら?
実は、日産の現在のラインアップにも、「マーチボレロ」という「軽めのパイクカー的な」グレードは存在している。ただし、ベースとなる「マーチ」自体が放置されており、まったく話題にもならないので、「マーチボレロ」も注目される機会がない。EV化やe-POWER化をしていけば一瞬の話題には上がるだろうが、おそらくそれだけでは、大した効果は得られないであろう。
とはいえ再販する手段がないわけではない。
例えば、かつての名車復活を熱望する方たちに、デザインをしてもらったり、あるいはクラウドファンディングを募ってみる。そうして周りを巻き込んでいけば、頓珍漢なアイディアから良いアイディアまで沢山出てくるだろう。もちろん、そこから取捨選択するのは日産であり、センスが問われることにはなる。だが、そこは、80年以上クルマ業界で生き残ってきた日産自動車の、メーカーとしての実力を見せていただきたいところである。
■まとめ
パイクカーなどの名車復活を考えるときに浮かぶ最大の課題は、こうした「チャレンジ」をする気風が日産内に湧き起こっていないように見えることである。
無責任に「チャレンジすべきだ」といっているわけではない。現代の人が待ち望んでいるクルマは「自動運転、コネクティッド、電動化」だけではないはずだ。あえて裏をかくような「パイク」なクルマを登場させることができれば、世界中を「あっ」と言わせることができる可能性はあるだろう。そうなれば非常に面白いことにならないだろうか。
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