1993年8月に登場した、9代目スカイラインとなったR33型。その先代型だったR32型に対し車体が大型化され、エンジンも2.5リッターを中心としたラインナップとなったことで、「大きく鈍重」と評価され、高いハンドリング性能が評価されたR32型と比較され、駄作のように評価されることもあった。R33スカイラインは本当に駄作だったのか? 改めてR33型スカイラインを解剖してみよう。
文/梅木智晴(ベストカー編集委員)、写真/ベストカー編集部、日産自動車
スカイラインの本質はスポーティに走れる4ドアセダンだったのだが……
R33型スカイラインがデビューしたのは1993年8月19日だった。1989年5月20日に登場した8代目となるR32型から4年3カ月でのフルモデルチェンジである。
R32型は16年ぶりにスカイラインにGT-Rが復活したことが大きな話題となった。GT-Rありきでスカイライン全体のパッケージングがデザインされたのではないか? といわれるほど、2ドアクーペをメインとした車体サイズだった。
R32型スカイラインの2ドアクーペの車体サイズは全長4530mm×全幅1695mm×全高1325mmでホイールベースは2615mm。4ドアセダンは、ホイールベース2615mmは共通で全長は50mm長い4580mmとされ、全幅は5ナンバー枠に収まる1695mmで4ドアと共通。全高は15mm高い1340mmとされた。
スカイラインは伝統的に4ドアセダンが主で、派生モデルとして2ドアが設定されている。いや、そもそもプリンス自工時代の2代目S50系までは4ドアセダンしかなく、日産に吸収合併されたのちに開発された3代目C10型(ハコスカ)でもデビュー時は4ドアのみだった。2ドアがラインナップに加わったのは、GT-Rの戦闘力を高めるためのショートホイールベース化と軽量化を目指したためで、C10型のモデルライフ後半となる1970年のことだった。
この3代目C10型スカイラインでは、4ドアセダンに対し2ドアハードトップ(HT)のホイールベースは70㎜短縮された。この時代、スカイラインは4気筒エンジン搭載モデルと6気筒エンジン搭載モデルでエンジンルームの長さが異なっており、これによってホイールベースが異なっていた(4気筒=2490㎜、6気筒=2640㎜)。そのためC10型では4タイプのホイールベースが設定されていたことになる。
1972年に登場した4代目C110型(ケンメリ)以降、4ドアと2ドアのホイールベースは統一され、1981年デビューの6代目R30型以降は4気筒車と6気筒車のエンジンルーム長が統一され、ホイールベースは一本化されたので、R32型のホイールベースは4ドアも2ドアも2615㎜とされたのだ。この2615㎜は5代目C210型(ジャパン)の6気筒モデルで採用されたもので、6代目R30型、7代目R31型と踏襲され、そのままR32型にも引き継がれたのであった。
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