カローラ クラウン マークII…… 超名門トヨタの超名門3ブランドが最も輝いた時代とは

カローラ クラウン マークII…… 超名門トヨタの超名門3ブランドが最も輝いた時代とは

 言わず知れた超名門トヨタの超名門ブランド、カローラ クラウン マークII。3車種が一番売れた(輝いた)世代を大検証!(本稿は「ベストカー」2013年2月26日号に掲載した記事の再録版となります)

解説/片岡英明

■トヨタ 3代目カローラ(1974年~1979年)…約161万3000台

トヨタ 3代目カローラ(1974年~1979年)
トヨタ 3代目カローラ(1974年~1979年)

●トヨタカローラ3代目の魅力

 カローラは日本が世界に誇る使い勝手のいいファミリーカーだ。何度も販売台数トップに輝き、日本だけでなく海外の人たちにも愛されている。数あるカローラのなかで最も売れっ子だったのが、1974年に登場した3代目のE30系だ。『サンマル』カローラと呼ばれ、親しまれた。

 カローラはモデルチェンジのたびにボディサイズを拡大し、装備も充実させてきた。この3代目カローラは、兄貴ぶんのコロナクラスと対等の快適性を備えた上級志向のファミリーカーとして開発されている。

 また、廉価モデルからDOHCエンジンを積むスポーティグレードのレビンまで、ワイドバリエーションを誇った。ボディタイプもセダン、2ドアHT、ハッチゲートを備えたリフトバックなど多彩だった。

 サンマルカローラは第一次オイルショックに排出ガス規制が重なった時期に登場。自慢の優れた経済性をスポイルすることなく、安全性と快適性を大幅に高め、キャビンも広い。ユーザーがいい気分で乗れた。だから大ヒットしたのである。

●全世代に見る3代目カローラの売れっぷり

 3代目カローラは歴代国産車中最多の販売台数を誇るので、この結果は当然といえば当然。1987年デビューの6代目も約138万5000台を販売するなど強かった。現行の11代目も頑張ってほしいが、やはり厳しいか。

●1974年はどんな年?

 前年のオイルショックが影響し、GNP初のマイナス成長、2ケタ物価上昇、企業倒産史上最高という暗黒時代。東京モーターショーも中止になった!

●トヨタ 3代目カローラの諸元(セダン)
・全長3995×全幅1570×全高1375mm
・ホイールベース:2370mm
・車重:890kg
・エンジン:直4OHV
・総排気量:1407cc
・最高出力:91ps
・最大トルク:12.0kgm
・価格:81万4000円

■トヨタ 8代目クラウン(1987年~1991年)…約87万3760台

トヨタ 8代目クラウン(1987年~1991年)
トヨタ 8代目クラウン(1987年~1991年)

●トヨタ 8代目クラウンの魅力

 トヨタのクラウンは、名実ともに日本を代表する高級セダンだ。50年を超える長い歴史を誇り、サクセスストーリーの象徴であり、仕事に打ち込む実業家からも絶大な支持を受けている。歴代のクラウンは端正な3BOXデザインにステイタス性を意識した格子のメッキグリルを組み合わせ、和風の高級ムードを上手に演出してきた。特に人気が高かったのが1987年9月に登場した8代目のS130系だ。

 小型車枠からの脱皮を図り、主役の4ドアHTにはワイドボディを設定する。また、エンジンもDOHC4バルブの直列6気筒が主役だった。1989年8月に上質な4L、V型8気筒エンジンをセルシオに先駆けて搭載し、注目を集めたものだ。最先端技術も満載だ。その筆頭がナビ機能を持つエレクトロマルチビジョンだった。

 この時期、トヨタは創業50周年の節目を迎え、意気揚がっている。これをバブル前夜の好景気が後押しした。先代の時から続くハイソカーブームも追い風となり、8代目は空前の大ヒット作となったのである。

●全世代に見る8代目クラウンの売れっぷり

 8代目クラウンの存在していた時期は、まさにバブル景気と重なっていたという幸運がある。1990年の年間販売台数は20万8010台。なんと月に1万7000台以上のクラウンが売れていたのだ。いい時代だったね~。

●ちなみに……1987年はどんな年だった?

 イケイケ時代の準備段階で、地上げ問題が深刻化。国鉄が民営化しJR誕生。クルマ界ではATの事故急増で社会問題化。ファッションではボディコンが大流行

●トヨタ 8代目クラウン 諸元(ロイヤルサルーンG)
・全長4860×全幅1745×全高1400mm
・ホイールベース・2730mm
・車重:1670kg
・エンジン:直6DOHC
・総排気量:2954cc
・最高出力:190ps
・最大トルク:26.0kgm
・価格:443万2000円

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