三菱きってのリアルスポーツ!! GTOが復活しなかった理由 【偉大な生産終了車】

■2代目が登場しなかったのは「熱狂を生み出せなかったから」?

 三菱GTOが生産終了となった理由。それは端的に言えば「販売不振」と「新たな側面衝突基準」という2つの要因が重なり合った結果です。

 2000年9月から新しい側面衝突基準が採用されることになったのですが、GTOはその新基準に適合しないことが、三菱社内の実験で明らかになりました。

視認性の良いゴーグルタイプの大型メータクラスタ、ドライバーに正対するようにレイアウトされた3連のサブメータなどが、ドライバーを自然に包み込むように設計されている

 売れ筋モデルであれば、新基準に合うような設計変更を行っても採算が取れます。

 しかしスポーツカー人気の低迷により、三菱GTOの販売台数は悪化の一途をたどっていていました。具体的には、1999年度の販売台数はたったの267台です。

 そんな台数しか売れないモデルに多額の費用をかけて設計変更を行ったところで、ソロバンが合わないのは火を見るより明らか……ということで三菱GTOは、弟分である三菱FTOと一緒に生産終了となってしまったのです。

 これが、さしあたっての理由です。

 ではなぜその後、しばらくの時をおいて「2代目GTO」は登場しなかったのでしょうか?

 同世代のライバルであったR32型日産スカイラインGT-Rはその後も順当に後継モデルが誕生しましたし、直接のライバルではなかったかもしれませんが、ホンダNSXも2016年に復活して「2代目」が登場したというのに。

走り方やドライバーの体格に合わせて最適な姿勢がとれるよう、8WAYの調節機構を搭載。シートはショルダーサポート付の本格バケットタイプで、動きやすさとサポート感を両立。ハードな走行でも常に安定したドライビングポジションが得られる(写真は後期型)

「本物であること」を愚直に追求したGT-RやNSXは、本物だけが持つ「熱」のようなものがユーザーに伝わり、熱狂的に愛されました。

 そして愛されましたから、必然的に後継モデルが登場したり、長い時をおいてですが「復活」したりしました。

 しかし、乗用セダンをベースに作った部分が色濃く見えてしまっていた三菱GTOは、そこまでの「熱狂」を作り出せなかったのです。

 とはいえ三菱GTOは、純粋なスポーツカーとしては欠点が多かったかもしれませんが、高速道路を快走する「GTカー」として見るならば、なかなかの資質を備えていた一台であったようにも思えます。

 それゆえ、三菱はGTOをリアルスポーツではなくGTカーあるいはスペシャリティカーとして売り出せばよかったのに……と思うわけですが、まぁそれは「後の祭り」ってやつですね。

■三菱GTO 主要諸元
・全長×全幅×全高:4555mm×1840mm×1285mm
・ホイールベース:2470mm
・車重:1700kg
・エンジン:V型6気筒DOHCツインターボ、2972cc
・最高出力:280ps/6000rpm
・最大トルク:42.5kgm/2500rpm
・燃費:―km/L(10・15モード)
・価格:398万5000円(1990年式ツインターボ)

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