全国の大学自動車部をご紹介するこの企画。今回は駒澤大学自動車部を取材した。1962年に創部され、お正月の駅伝でも有名な陸上競技部が活動する玉川キャンパスで日夜腕を磨いている。活動日に訪問すると、さながらオフ会のような様相に!?
※本稿は2024年1月のものです
文/奥野大志、写真/ベストカー編集部、撮影/大石博久
初出:『ベストカー』2024年3月26日号
■陸上部が有名な駒大……自動車部も凄いぞ!!
駒澤大学と言えば、多くの人が箱根駅伝での陸上競技部の活躍と、世田谷区駒沢にあるおしゃれなキャンパスを思い浮かべると思います。筆者も同じでしたが、自動車部を取材して大きくイメージが変わりました。駒大自動車部、なかなかイケてます。
駒大自動車部は1962年に創部。有名な陸上競技部をはじめ、多数の運動部が練習を行う、玉川キャンパスで活動しています。とある平日の夕方、美しいグラウンドを横目に見ながらガレージを訪問。
この日は自動車部の活動日で、授業を終えた部員たちの到着を待ちます。ガレージは部室棟の1階部分にあり、2階に部室兼倉庫という構成。ガレージ内には5台の試合車が収まっており、使い勝手はとってもよさそうです。
■まるでオフ会状態に!?
取材に対応いただいたのは主将の大里一仁さん。新型コロナが猛威を振るっていた2021年に入学した、経営学部の3年生です。ガレージの前にセットを組み、さっそくインタビュースタートとなるはずでしたが、シルバーのインテグラタイプR(DC5型)に乗る部員が颯爽と登場し、取材がストップ!
再開後も激レア車のルノーキャトルをはじめ、個性的なクルマに乗る部員が次々と登場し、まるでオフ会のような光景に。取材班も一緒に盛り上がり、インタビューはなかなか進まなかったものの、クルマが大好きな人たちの集まりということが充分伝わってきました。
「部員の中で一番無理して買ったクルマがこのDC5です(笑)。自動車部定番のDC2やEK9に乗っている人はいなくて、このDC5と同世代ぐらいのクルマに乗っている人が多いと思います」(大里主将)
駒大自動車部の活動日は火曜日と木曜日の週2日。玉川キャンパス内のガレージで整備を行っているほか、月イチのペースでジムカーナ練習会を行っています。また、出場している競技は学連主催のジムカーナと軽耐久の2つ。大里主将が入部するはるか以前に競技を絞り込んだそうで、現在も引き継いでいます。
「どの競技にも力が入ってなかった時期があったみたいで、一本に絞ろうということになり、ジムカーナを選んだようです。軽耐久は3人しか出場できないジムカーナと比べて多くの選手が出場できるので、1、2年生の自覚を育てるために出場しています」(同)
■活動はメリハリが重要!!
駒大自動車部の特徴はオンとオフ、メリハリをつけた活動。普段は和気あいあいとした雰囲気のなかで整備を行っていますが、大会が近づくと真剣モードに一変。目の色を変えて活動を行っています。
「私が入部した頃はサークルのような雰囲気もありましたが、コロナが明けてからは大会が近づくとピリピリムードになっていきます。切り替えのよさがうちの売りで、昨年の全関東ジムカーナでは10位でしたが、よりレベルの高い全日本では7位と、成績も上がっています」(同)
大里主将によると、コロナの前に活動がうまくいかない時期があったそうですが、コロナ明けからセンスのいい部員が数名入ってきて、部内のモチベーションが上がっているそう。
「コロナでOBとの繋がりが薄れてしまったのですが、監督が私たちのことを応援してくれ、うまくまわるようになってきました。みんな走り始めたら速くなって楽しいと気づいたみたいで。クルマに乗せてあげることが大事だとつくづく感じています。今は自動車部の新たなスタイルを作っている時期ですね」(同)
そんないい流れに乗っている駒大自動車部だけに、みんなノリノリ。取材後はガレージの前でディナーが始まり、まるでナイトパーティーのような盛り上がりです。クルマを制約なしで楽しめるようになったのが心底嬉しいのでしょう。
コメント
コメントの使い方