今のクルマは高すぎ……Z世代が国産スポーツカーに触れて何を想う? レーシングドライバー谷口信輝さんが若者に伝えたい事って???

■最新スポーツ車は確かに強烈ではあるのだが!?

3台の試乗車に対する4人の好みや評価はバラバラだったが、乗りやすさや技術の進化に驚いているのは共通していた
3台の試乗車に対する4人の好みや評価はバラバラだったが、乗りやすさや技術の進化に驚いているのは共通していた

 夢のような試乗タイムはあっという間に終了。GT-R、GRカローラ、シビックタイプRに対する4人の好みや評価はバラバラでしたが、ひと昔前のクルマと比べ、乗りやすさや技術の進化に驚いているのは全員同じでした。

 最新スポーツモデルはZ世代に充分受け入れられていると断言します。ネックはやっぱり価格ですね? 谷口さん。

 「高いクルマには高い理由があってね。開発費をかけて、いいものを使ってすべてがアップデートされているから、絶対的に素晴らしいの。早く中古車の価格が下がって市場に出回ればいいと思うよね」(谷口さん)。

 現地を後にし、全員でインタビュー会場へ。それぞれの推しグルマを発表してもらったのですが、各々のクルマで移動したことにより、4人の脳内は一旦リセット。非常に興味深いトークセッションとなりました。

■4人の若者たちはこのクルマが気になった!

日本の最先端スポーツモデルに試乗して素晴らしさを味わうのと同時に、自身の愛車への思いを新たにしているのが印象的だった
日本の最先端スポーツモデルに試乗して素晴らしさを味わうのと同時に、自身の愛車への思いを新たにしているのが印象的だった

●安達悠人さん(早稲田大学3年)普段の愛車:マツダ ロードスター(NA型)

 一番気に入ったのはGRカローラ、次にGT-R、シビックの順です。最近のクルマは利口すぎておもしろくないと思っていたのですが、谷口さんがおっしゃっていた、高いクルマはいい部品を使っていて、高いなりの理由があるということが、理解できました。

 今乗っているクルマと比べて、どれくらい技術が進歩し、乗りやすくなっているかもわかりました。

●林 将樹さん(早稲田大学2年)普段の愛車:スズキ スイフトスポーツ(ZC31型)

 今日の推しグルマはGT-R、シビック、GRカローラの順です。GT-Rの未知の加速、めっちゃやばいですね。3台ともに楽しかったのですが、取材後の移動で自分のクルマに乗った時、やっぱり楽しいと感じました。

 スイスポにも電子制御が入っていますが、オートブリッピングはなく、操っている感があるというか。運転のしやすさなら断然今のクルマです。

●片岡叶希さん(明治大学3年)普段の愛車:マツダ ロードスター(ND型)

 今日の一番はGT-R、その次にシビック、GRカローラという順です。GT-Rとロードスターでは、パワーが5倍ぐらい違うので、普段の運転とは異なる感覚。ターボ車を運転する機会もなかなか貴重でした。

 今乗っているNDロードスターにはオートブリッピングはありませんが、アクセルを踏んだら踏んだ分だけ進んでくれるのがいいところです。

●小熊雄太さん(日本大学4年)普段の愛車:日産 マーチ(12SR)

 お気に入りはGRカローラ、GT-R、シビックという順です。GT-Rは高性能なパーツ同士がつながり、動いているのが楽しめて、意外な発見でした。

 一方で、自分のクルマはあらためていいクルマと思いました。せっかく移動するならやっぱり楽しいクルマに乗りたいです。マーチ12SRはたくさんアクセルが踏めて楽しいので、今後も乗り続けたいですね。

■谷口信輝氏から若者たちに伝えたいこと

今回、先生役を担当していただいた谷口信輝氏。ありがとうございました!
今回、先生役を担当していただいた谷口信輝氏。ありがとうございました!

 さっきオレ、現代のクルマをほめたよね。今時のクルマはシャシー剛性が何パーセント向上とか言っているけど、実はすべての部品の剛性が上がっているの。

 サスペンションやブレーキにしても、それを固定しているところの剛性がないと意味がないし、ブッシュも絶対硬くなっている。だから一部分だけ現代の物を付けてもバランスはよくならない。そういう意味で、今のクルマはすべてがアップデートされているから、絶対的に素晴らしいの。

 とはいえ、すべての剛性が上がるということは、安全面もあるけれど、とにかく重たい。だから大きなブレーキが必要で、グリップや車体を支えるために大きなタイヤを付ける必要が出てくる。

 昔のいい時代には1トン前後のクルマが多かったけど、今は軽くても1300kg台。300kg近くの差があるから、重さと相殺になるパワーは結構大きく、細いタイヤを履いた、軽い非力なクルマとのタイム差はそれほどなかったりする。重たいクルマはいろいろなエネルギーを発生しているけど、ロスも大きいってこと。

 学生が試乗した3台にはそれぞれのキャラクターがあり、走るステージによって、優劣が変わってくる。

 オレはシビックタイプRが好き。開発者がクルマで走るのが好きで、かゆいところに手が届いているというか、ブロックをガチャガチャ付けただけじゃなく、部品のバリをとってスムーズにしたよさがある。シフトフィールも気持ちいい。

 今日参加してくれたのは自動車部の大学生たちだから、自分のクルマが好きという意見が聞けてよかった。電動のパーキングブレーキより、手引きタイプのサイドブレーキがいいという声も嬉しかった。

 オレは小さい時から自分のポテンシャルを上げてくれる乗り物が大好きで、一番操縦がうまくなりたいと思い、BMX、バイク、ドリフト、レースで一番をとってきた。クルマに対する想いはそういうところから来ているので、若者たちにそれを伝えたいな。

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