リッターカー含む再起の道をたどってくれることを期待したい
ダイハツにはほかにも、タントやムーヴ、コペン、軽トラではハイゼットなど、ここでは取り上げきれないほど名車が数多く存在し、多くのユーザーの足を支えてきた。
日本では軽自動車やコンパクトカーが売れ筋であり、本稿で取り上げた代表車種の紹介からも理解できるとおり、ダイハツが長年得意としてきた分野でもある。同じくコンパクトカーや軽自動車を得意とするスズキと、長年販売台数でも競い合う関係にあるのも、その開発力と独自性、自動車としての魅力が、時代を経ても衰えないからだろう。
だが、2024年3月1日付で就任したダイハツの井上雅宏新社長は、会見で「ダイハツは軽自動車主体、海外生産はトヨタからの委託とする」としており、近いうちにダイハツの歴史からリッターカーの系譜が途絶えてしまう可能性がある。
シャレードで培われた高効率パッケージと高い性能を廉価で販売するというダイハツのノウハウは、現在のトールやロッキーにも生かされており、トヨタの販売力によって市場の安定に貢献してきた。ダイハツからOEM供給されているトヨタの「ライズ」や「ルーミー」は、トヨタ車内でも台数を稼ぐ主力車種。いわばもっとも市場で受け入れられているモデルであり、このノウハウが途絶えてしまうとしたら、それは日本の自動車業界にとって、大きな損失であるような気がする。
ダイハツのしたことは、あってはならない不正であり、既存車に問題がなかったからといって許されるものではないが、個人的には、ダイハツには、全ての膿を出しきったうえで、リッターカー含む再起の道をたどってくれることを期待したいと思う。
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