ダイハツは復活なるか? 歴代ダイハツ名車の系譜と今後の行方

リッターカー含む再起の道をたどってくれることを期待したい

 ダイハツにはほかにも、タントやムーヴ、コペン、軽トラではハイゼットなど、ここでは取り上げきれないほど名車が数多く存在し、多くのユーザーの足を支えてきた。

 日本では軽自動車やコンパクトカーが売れ筋であり、本稿で取り上げた代表車種の紹介からも理解できるとおり、ダイハツが長年得意としてきた分野でもある。同じくコンパクトカーや軽自動車を得意とするスズキと、長年販売台数でも競い合う関係にあるのも、その開発力と独自性、自動車としての魅力が、時代を経ても衰えないからだろう。

2022年に発売20周年を迎えたダイハツの軽オープンスポーツカー「コペン」。ダイハツを代表する名車のひとつだ
2022年に発売20周年を迎えたダイハツの軽オープンスポーツカー「コペン」。ダイハツを代表する名車のひとつだ

 だが、2024年3月1日付で就任したダイハツの井上雅宏新社長は、会見で「ダイハツは軽自動車主体、海外生産はトヨタからの委託とする」としており、近いうちにダイハツの歴史からリッターカーの系譜が途絶えてしまう可能性がある。

 シャレードで培われた高効率パッケージと高い性能を廉価で販売するというダイハツのノウハウは、現在のトールやロッキーにも生かされており、トヨタの販売力によって市場の安定に貢献してきた。ダイハツからOEM供給されているトヨタの「ライズ」や「ルーミー」は、トヨタ車内でも台数を稼ぐ主力車種。いわばもっとも市場で受け入れられているモデルであり、このノウハウが途絶えてしまうとしたら、それは日本の自動車業界にとって、大きな損失であるような気がする。

 ダイハツのしたことは、あってはならない不正であり、既存車に問題がなかったからといって許されるものではないが、個人的には、ダイハツには、全ての膿を出しきったうえで、リッターカー含む再起の道をたどってくれることを期待したいと思う。

【画像ギャラリー】ダイハツの名車「シャレード」の歴史を写真で振り返る(10枚)画像ギャラリー

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