ダイハツは復活なるか? 歴代ダイハツ名車の系譜と今後の行方

ダイハツは復活なるか? 歴代ダイハツ名車の系譜と今後の行方

 2023年4月・5月、そして12月に発覚した、ダイハツの認証試験不正問題。その影響は、ダイハツのみならず、親会社であるトヨタのほか、OEM供給を受けるスバル、マツダなど多くの企業を巻き込み、界隈に大きな影響を及ぼしている。

 認証試験の不正、しかも長年にわたって行われてきたというのは、ユーザーにとって許しがたいものではあるが、ダイハツといえば、これまで大衆車を中心としたラインアップで多くの人々の生活を支えてきたメーカーだ。それだけに、「なくなっては困る」として、しっかりと問題に対処した上で早期復活を望む声も多い。ダイハツは今後どうなるのか、ダイハツの歴史を支えた名車を振り返りつつ、今後の展望を考えてみよう。

文:立花義人、エムスリープロダクション
カバー写真:DAIHATSU

ダイハツの乗用車第一号!! 「コンパーノ」

 コンパーノは1963年に発売されたモデルだ。ダイハツが初めて乗用車市場に進出した歴史的な一台でもあり、ダイハツの歴史を語る上で欠かせないモデルだ。

 当時の乗用車は、既にモノコックフレームが主流であったが、コンパーノはトラックなどで使われるラダーフレームを採用。そのため、ライバル車よりも重量が嵩んでしまっていたが、ラダーフレームであったことで、セダンだけでなくピックアップトラックやスパイダー、ワゴンなど豊富なボディラインアップを持つことができ、まずまずの成功を収めていた。

 デザインはイタリアのカロッツェリア・ヴィニャーレが手がけた美しいもので、マイカーを持つことが豊かさの象徴である時代を反映した、そんな一台であった。

1965年に発売されたコンパーノ・スパイダー。セダンのベルリーナ800をベースにしたオープンモデルだ
1965年に発売されたコンパーノ・スパイダー。セダンのベルリーナ800をベースにしたオープンモデルだ

コンパクトカーの魅力を大きく底上げした 「シャレード」

 1977年に発表されたコンパクトカーである「シャレード」は、5人乗りの実用車でありながら十分な性能と広い室内空間を実現するというコンセプトを掲げ、当時ヨーロッパで主流となっていたFFレイアウトの高効率パッケージングの流れを汲み、非常に合理的な設計を追求したモデルだ。

 新開発された、乗用車用としては世界初となる1.0L 直3 SOHC4サイクルエンジンを搭載し、3気筒では避けられない振動を軽減させるため、ギア駆動によるバランスシャフトを装備。これにより小型で高い燃費性能と実用的なパワー、快適性を両立させていた。

 直列3気筒のエンジンは、いまでこそ当たり前のように小型車に搭載されているが、当時としては画期的なもの。オイルショックの背景から燃費性能に注目が集まる時代だったこともあり、シャレードは大ヒット。コンパクトカーの魅力を大きく底上げした一台となった。

1977年発売の初代シャレード。乗用車として世界初となる1.0L 直列3気筒SOHCエンジンを搭載
1977年発売の初代シャレード。乗用車として世界初となる1.0L 直列3気筒SOHCエンジンを搭載

ダイハツを代表するブランドに成長した 「ミラ」

 1980年から販売されつづけているダイハツの主力軽自動車「ミラ」。現行型は「ミライース」「ミラトコット」と求めるユーザー層に応じて系統を分けているが、クオーレやモデルノ、アヴィなど、数多くの派生モデルも誕生しており、「ミラ」はモデル名というよりも、ダイハツを代表するブランド名だといっていいだろう。

 基本的にはスズキ「アルト」のライバルという位置関係ではあるが、クルマ好きとして印象に残っているのは軽スポーツモデルの元祖ともいわれる「ミラTR」(1985年登場)だ。新型の直3SOHCエンジンにインタークーラーターボを組み合わせ、当時軽自動車最強のパワーを誇った三菱ミニカの馬力を10馬力も上回る52馬力(グロス)を発揮したモデルだった。

 のちに、派手なエアロパーツを標準装備した「TR-XX」も追加され、ライバルのアルトが「ワークス」を発売すると「軽スポーツパワー競争」時代に突入。こだわりのハンドリング性能や攻めたデザインも含め、コンパクトスポーツカーにインパクトのある付加価値を提供していた。

ミラTR-XX。すっきりとモダンなデザインの2代目ミラ(L70型)にエアロパーツ標準装備でやんちゃな雰囲気が魅力だった
ミラTR-XX。すっきりとモダンなデザインの2代目ミラ(L70型)にエアロパーツ標準装備でやんちゃな雰囲気が魅力だった
ミラTR-XXのリアスタイル
ミラTR-XXのリアスタイル

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