ホンダHSV-010、マツダRX500、日産MID4…幻になった国産スーパーカーたちの墓標

「公道で乗れるフォーミュラカー」だった、ヤマハ「OX99-11」

 トヨタのエンジンサプライヤーとして歴史のあるヤマハ。特に高回転型のエンジンのノウハウが少量生産のスポーツカーなどに向いているといわれているが、1989年からはF1のエンジンサプライヤーとして参戦しており、その流れで初の市販四輪車として発売が計画されていたスーパーカーが「OX99-11」だ。

 車名のOX99は、1991年にブラバム、1992年にジョーダンチームに供給していたF1用エンジンの型式名。3.5リッター V12エンジンのレブリミットは10000rpmを超え、デチューンしたとはいえ、最高出力は450ps、車両重量は1000kgという、まさに公道で乗れるフォーミュラカーのようなマシンだった。

 丸いドーム型のキャビンには、中央に運転席、その後ろが助手席というタンデムレイアウトで、レーシングカーデザインで有名な由良拓也氏による美しく流麗なスタイリングが特徴だった。1994年の発売を目指して開発された(販売価格は1億3000万円と言われる)が、世界的な経済変動の影響により、プロジェクトは断念となった。

由良拓也氏による美しいデザインのヤマハOX99-11。もしリリースされていたとしたら、F1さながらの空力性能やパワートレインを楽しめる、本気のロードゴーイングカーであっただろう
由良拓也氏による美しいデザインのヤマハOX99-11。もしリリースされていたとしたら、F1さながらの空力性能やパワートレインを楽しめる、本気のロードゴーイングカーであっただろう

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 日本のメーカーでも、こうした高性能なスポーツカーがいくつも開発されていた。クルマ好きとしては、まさに夢のようなモデルたち。やはり夢を実現させるのは、なかなか難しいということなのだろうか。

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