■ライトウェイトFRスポーツ対決[ロードスターRF vs BRZ]
(TEXT/国沢光宏)
●マツダ ロードスターRF(価格:255万4200〜381万2400円)
VS
●スバル BRZ(価格:243万0000〜359万1000円)
毎年筑波サーキットでロードスターを使ったメディア耐久4時間レースというのがある。ここ何年か運転手をしているのだけれど、ひたすら楽しい!
1.5Lのノーマルエンジンにロールケージとサスペンション&ブレーキを組んだだけのスペックながら、元F1ドライバーから私のようなロートル評論家、メディア編集長までがごった煮になって走ります。皆さん頭から汗かいての真剣勝負。このイベントでマツダという会社の原点を思い出します。
一方、BRZも日本のモータースポーツで輝いている! 私は国内の競技にこそ出ていないが、2013年にタイまで運び、プミポン国王杯に出場した。デビューしたばかりとあって大人気!
BRZにとって海外ラリーの初陣であります。足回りのトラブルなど出たものの、大きな遅れなく走り切り総合4位。2WDクラスのトップなど、いくつかのクラス優勝と複数のトロフィーをいただいた次第。
BRZをグラベルで走らせたら超楽しい! 大笑いしながら走りましたね。
RFとBRZ、どちらがいいか聞かれたら、相当迷う! なんたってRFは標準の1.5Lエンジンより圧倒的にパワフル。走る楽しさからいえば、30%増しといった感じ。
BRZも私がタイで乗った初期型(アプライドA)から大きく進化しており、世界で最も楽しめる後輪駆動車に仕上がっている。アフターマーケットのパーツの種類だって驚くほど!
ノーマルで乗ったって楽しいが、お好みに応じた味つけにすることが可能。だからこそ今でもクルマ好きに絶大な人気です。
以下、精神論じゃなくハード面を比較してみよう。ハンドリングについては引き分けとしておく。どちらも素材として考えたらイーブンだし、コーナリングスピードなどタイヤで決まります。味つけだって自由。ノーマル車で比べたところで意味なし。
エンジンフィールだけれど、これまた「どちらも100点とは言えない」という点でいい勝負だと考えます。RFは絶対的な出力が物足りず、BRZも中回転域に存在するトルクの谷に泣かされてしまう。
ファントゥドライブ度や走りの質感についていえば「好みですね!」と言い切れる。
そもそもRFはオープンエアモータリングを楽しむためのライトウェイト2シータースポーツカーであり、BRZは狭いながらもリアシートを持つクーペと用途が違う。
オープンカーを買うか、クーペを買うかって、けっこう大きな差があると思います。最大公約数的に考えるなら、4人乗車の機会も多い若い人だとBRZ。もはやひとりで乗ることがふつうであればオープン2シーターなどいいか?
私としちゃ煮えきれない原稿になっているけれど、スポーツモデルってそんなモンだと思う。どちらも生活の必需品じゃない。夢や楽しさが目的です。したがって自分の好みを選んで100点である。
国沢光宏ならどちらを選ぶかといえば、現役で競技に出ているウチはBRZに熱くなるかと。されど競技を止めたら、RFのトップを開けてノンビリと北海道など走ってみたい。どっちを買った人も幸せな日々が待っていると考えます。
こんなクルマがあるから人生楽しめる。
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