高級ミニバンといえばアルファード/ヴェルファイア!! 超絶人気だが、それを支えているのが豪華すぎる2列目シートをはじめとする快適装備たち。今でこそ当たり前だが、この礎を気づいたのはじつは商用バンベースのタウンエースワゴンでは!? そう言い切れるほどスゴかったのよ!!!!!!
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■もしやアルヴェルはなかったかも!? 今の当たり前を半世紀前から作り上げた歴史的名車
トヨタのタウンエースといえば、現在は商用バンとしてのみその名を残すだけとなってしまっているが、初代モデルは1976年に登場しており、まもなく登場から50周年を迎えようとしている歴史ある1台だ。
そんなタウンエースは商用モデルだけでなく、まだミニバンという言葉が生まれるずっと前から3列シートワゴンもラインナップされてきており、このモデルがなかったら今日のアルファード/ヴェルファイアも生まれなかったかもしれないのである。
■バン出身のネガを改良で払拭!? 回転シートにサンルーフまでアリ
現在は統合されてしまったが、2020年夏ごろまでは取り扱い販売店違いのライトエースと兄弟車関係にあったことでも知られているタウンエース。
しかし初代モデルは1970年にリリースされていた初代ライトエースの上級版としてリリース。
再度パネルなどは共有されていたものの、全長も全幅もタウンエースの方が大きく、ワゴンモデルのエンジンも1.2L(のちに1.3Lへ拡大)のライトエースに対してタウンエースは1.6L(のちに1.8Lへ拡大)と差別化がなされていた。
またワゴンの需要の高まりに合わせて改良も重ねており、バン派生のワゴンではあったものの、より快適な乗り味のための足回りの味付けの見直しや、ハイルーフの追加、サンルーフ仕様を設定するなどかなり気合が入っていたのだ。
2列目シートを3列目と対面で座れるようにできるようにするなど、レジャーユースにも対応できるようにバンとは細かな差異を設けていたのだ。
1980年末に実施されたマイナーチェンジでは、フロントマスクを古臭い丸型ヘッドライト&メッキバンパーから、角型ヘッドライト&ブラック塗装の大型バンパーに変更して近代化!!
バンは従来のままであったが、MTのみだったトランスミッションに3速ATを追加するなど、時代に即した改良にも余念がなかった。
■車中泊仕様も!! なんてったって製氷機まで付いてたのよ!!!!!
そしてモデル末期には簡易ベッドキットを装着したキャンパー仕様の「キャニオンパッケージ」を追加したり、電動カーテンを備えたりするなど、80年代前半とは思えない進化を遂げている。
1982年11月にライトエースと共にフルモデルチェンジを果たしたタウンエースは、輸出仕様のルックスを持つ3兄弟体制となり、自動車向け小型冷蔵庫としては世界初の製氷機をオプション設定したことでも話題を集めた。
1996年10月に3代目に進化するタイミングでワゴンはタウンエースノア/ライトエースノアとサブネーム付となり、現在のノア/ヴォクシーに至るというワケなのである。
最終的には3兄弟体制となり、ノアへと変わってしまったタウンエースだが、当初はライトエースの上級版として登場したところをみると、アルファードの元祖はタウンエースという見方ができるかもしれない。
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