【低燃費化の影響なのかと思いきや】 ガソリンスタンドが減っている本当の理由

 もうすぐお盆休みということで、実家に帰省される方も多いと思う。企画担当も実家に電話して予定を練っていたのだが、話のなかで「ガソリンスタンドの数がどんどん減っている」という話題になった。

 そういえばこっち(東京)でも、あちこちのガソリンスタンドが閉まってるなーと気にはなっていた。

 こちらはまだしも、地方などは死活問題といったところも多いだろう(企画担当の父母もいい歳だし)。

 全国のガソリンスタンドの数の減少、その現状と原因とを調べてみた。

※本稿は2019年7月のものです
文:ベストカー編集部/写真:AdobeStock、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年8月10日号


■ガソリンスタンドの数は全国レベルで減少中

 近年問題となっているガソリンスタンド数の減少。特にクルマが重要な移動手段である地方都市の自動車ユーザーにとっては死活問題になりかない。

 経済産業省が2018年7月19日にまとめた『平成29年度末揮発油販売業数及び給油所数の推移(登録ベース)』によれば、給油所数が最も多かった1994年(平成6年)度末で6万421(揮発油販売業者数は3万1559)。

 しかし、その数はこの24年で半数近い3万747(揮発油販売業者数は1万4612)にまで減少してしまっている(数字はいずれも2017年(平成29年)度末)。

●揮発油販売業者・給油所数の推移

H30年7月 揮発油販売業者数及び給油所数の推移(登録ベース)の資料(経済産業省 資源エネルギー庁)より

 なぜここまで減少してしまったのか? やっぱり低燃費化の影響が大きいのかと、データをまとめている経産省に聞いてみたところ、「複合要因であると考えられる」との回答が。

 では、その要因とはなんなのだろう。

 最も大きな理由といわれているのが、1996年4月に「特定石油製品輸入暫定措置法」が廃止されたこと。ガソリンの輸入が解禁されたことによって採算が悪化してしまったのだ。この年を境に、給油所の数は減少に転じる。

 さらにその後の2010年6月、「危険物の規制に関する規則」が改正されたことで、2013年1月末までに給油所の地下タンクを改修することが必要となり、消防法の許可が受けられなかった給油所が多く出てくることになる。

 地下タンクの交換には1000万~2000万円かかると言われている。ただでさえ採算の悪化したガソリンスタンドには、そうした出費は荷が重かったのだ。

 そこにさらに追い打ちをかけたのが、近年拍車がかかっているクルマの低燃費化。カタログ燃費25km/Lを超えるガソリン車やハイブリッド車が増加し、ガソリン消費量が減少。

 そうした要因が相まって、収益悪化と経営者の高齢化が進んだガソリンスタンドは、後継者不在やスタッフの確保もできず、悪循環に陥り廃業しているのだという。

■今後も減少の一途をたどる?

 ガソリンスタンドの減少には今後さらに厳しい状況が待っていると言わざるを得ない。

 2030年までに「企業平均燃費(CAFE)」を25.4km/Lまで向上させることが決定しており、ガソリンの需要はさらに減少が見込まれているためだ。

 内燃機関のクルマはそこまで大きく減らないのに、ガソリンスタンドは減っていく。

 排出ガス削減のために、燃費向上はもちろん歓迎すべき技術の進歩だが、インフラの安定的な維持も国としての責務。

 気づいた時には遅かったとならぬように、大きな一手が必要ではないだろうか。

ガソリン価格の高騰による需要の低下も大きい。二重にかけられたガソリン税がその悪因だ

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