渋滞している高速道路を走行中、少しでも先に進みたいというとき、2車線以上あるならば、追い越し車線を走行する、という人は多いでしょう。乗用車よりも規制速度が低いトラックが少なく、また速く走りたいと思うドライバーが多いことから、追い越し車線は、基本的には流れが速いですよね。また、追い越し車線側には合流や出口があることが少ないため、詰まることも少ないと思われます。
しかしながら、実は、渋滞しているときは、走行車線のほうが流れが速い場合があるのです。
文:エムスリープロダクション
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多くのクルマが追い越し車線に集中することで流れが悪くなる
渋滞中の高速道路で考えることはみな同じ。できるかぎり速く通行するため、多くのドライバーが追い越し車線を選びがちになりますが、渋滞学を研究する大学教授によると、こうして多くのクルマが追い越し車線に集まることで、左側の走行車線よりも、追い越し車線のほうが、渋滞がひどくなる傾向があるそう。
左側車線のほうが車速が低いクルマが多く、また合流や出口もあることで流れが悪いイメージがありますが、交通量が多いときには密度が高まることで流れが悪くなり、むしろ渋滞が発生しやすい(もしくは渋滞が酷くなる)傾向にあるそうなのです。
料金所も同様で、たとえば、料金所手前は2車線であっても、料金所ゲートは4つ5つと用意されていることが多いですが、この場合、そのまままっすぐ通行できる車線にクルマは集中しがちなので、両サイドのゲートを選んだほうが通過にかかる時間は早くなる傾向だそう。料金所を通過した後に、合流をし直す必要がある場合もありますが、まさに「急がば回れ」ですね。
料金所ではトラックやバスなどが多い列に並ぶと、早く抜けられる可能性も
料金所でいうと、大型トラックや高速バスなどが並んでいる列は、視界も悪くなるためにどうしても避けがちですが、こうした大型車は、1台で普通乗用車2台や場合によっては3台ぶんもの長さがあります。単純に車列の長さが同じだとすれば、その長さの間にいるクルマの台数としては少なくなるため進みが速く、また料金所通過後の合流においても、1台ずつ合流していくシーンでは速く通過できる傾向があります。
また、これら大型トラックやバスなどは、高速道路の通行に慣れているため、料金所通過後の合流シーンもスムーズに行いますので、トラブルも少ないことが考えられます。料金所渋滞では、大型トラックやバスが多く並んでいる列を選ぶと、速く抜けられる可能性が高まるといえるかもしれません。
渋滞中は適切な車間距離を意識して
渋滞中は、割り込まれないようにと車間距離を詰めがちになるドライバーもいますが、前走するクルマとの車間距離が短すぎるのは、トラブルや接触事故の原因となるばかりでなく、渋滞のさらなる悪化につながってしまう可能性があります。とくに低速で動き続けるような渋滞では、ある程度の車間距離(4~5mといわれます)を保つことで、前走車のちょっとした車速変化を車間距離が吸収してくれるために、後続のクルマに伝わりにくくなります。
ただし、車間距離の空けすぎもよくないそう。JAFによると、車間を空けすぎていると、そのクルマの後続が車間を詰める傾向があり、新たな渋滞の原因となるとのこと。渋滞中や渋滞末尾では、ハザードランプの点灯やポンピングブレーキをするなどとともに、適切な車間距離をとることを意識するようにしたいものです。
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