最近の気になるニュースから注目の自動車関連記事をピックアップし、自動車評論家の片岡英明氏とともに分析し、深掘りしていくこの企画。ここでは、春闘にて約半数の組合が満額回答を得たという自動車総連の発表についてお伝えする。
※本稿は2024年4月のものです
文:片岡英明、ベストカー編集部/写真:AdobeStock(トップ画像=moonrise@AdobeStock)
初出:『ベストカー』2024年5月10日号
■満額回答に本当に喜んでいいのか?
自動車総連は3月20日、2024年の春闘の回答状況を発表しました。それによると、約半数の組合が満額回答を得たとのことです。満額回答と言うと景気がよさそうに聞こえますが、実際はどうなんでしょうか?
●片岡氏のコメント
自動車総連は記者会見で、賃上げ獲得額の平均は1万4000円に迫り、1975年以降で最高の水準となった、と誇らしげに述べていた。満額回答も多かったから、例年にない景気のいい話になったのだろう。
だが、自動車総連の加盟組合は1000を超えており、パーツメーカーや自動車販売店などの中小・中堅企業の労組は、この時点ではまだ交渉を続けていたのだ。
大手を中心に賃金は上がっているが、それ以上に物価が上がっているのだから高水準の実感はないだろう。また、ちょっと元気を失いつつある自動車産業を盛り上げ、競争力を高めていかないとニッポンの明るい未来はないよね。
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