最近のクルマのフロントガラスは、ルーフと繋がる上のほうに細かなドットが付いている。あれってなんで付いているのだろうか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock、ベストカーWeb編集部
■ひと昔前までは色付きガラスだったが……
いきなり正解をいうと、これはセンターバイザーという日除けだ。運転席と助手席の頭上にはもともとサンバイザーがあるが、ルームミラーがあるフロントガラスの真ん中付近はサンバイザーでは隠せない。そこの日除けを担うのがセンターバイザーというわけだ。
このセンターバイザー、フロントガラスの製作過程でセラミックのドットを焼き付けて作る。だからめったなことでは取れたりはしないし、熱や紫外線にもメチャクチャ強い。
ひと昔前まで、フロントガラスの上のほうは青や茶色に着色されていたものだった。ところが近年、フロントガラスに運転支援用のカメラやレーダーなどが埋め込まれるようになると、上部が一様に着色されるフィルムは使い勝手が悪い。
■両面テープを貼ってもドットは取れない
そこでカメラの範囲を避けて配置できるセラミックのドットが採用されたわけだが、実はセラミックはここで初めて使われたわけじゃない。フロントガラスの周囲を見てほしい。同じように黒く塗りつぶされた箇所があることに気付くはずだ。
実はこの黒い部分もセラミックなのだが、こっちはガラスをボディ側とくっつける接着剤を覆うように配置されている。ガラスをくっつける接着剤は熱に弱いので、そこをセラミックで覆って劣化を防いでいるのだが、ガラスをセラミック処理したのはこの部分のほうが先なのだ。
つまりセンターバイザーとは、もともとガラスの周囲に使われていたセラミック処理を、ガラスの上部に転用したものといえる。ガラス面へのカメラ設置にも対応できるし、フィルムを挟み込む手間もなくなるので、一石二鳥といえる作戦といえるだろう。
ドラレコなどを取り付ける際、センターバイザーの黒いドットが気になる人もいるだろう。両面テープをこの部分に貼ってもドットが取れることはないが、微妙な凹凸があるので吸盤だと外れる可能性がある。避けて取り付けるのがいいだろう。
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