■ランクル250の価格も大幅に上昇
新型車の価格では、ランドクルーザー250も注目される。入れ替えに廃止されたランドクルーザープラドの価格帯は367万6000~554万3000円だったが、新しいランクル250は520万~735万円だ(特別仕様車を除く)。価格だけを見ると150万~180万円も値上げされた。
ランクル250はこれまでのランクルプラドに比べると、シャシーやボディサイズも刷新された。全幅の1980mm、全高の1925mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)の2850mmは、ランクルシリーズの最上級車種になる300と共通だ。つまり、以前のランクルプラドは300の下に位置したが、250は並列に近付いて価格も高まった。
このように考えると値上げも納得できるが、ランクル300の価格帯は510万~800万円だから、ランクル250もほぼ同額まで高まった。それなのにランクル250のエンジンは、プラドと同じ直列4気筒の2.7Lガソリン(ターボは非装着)と、2.8Lクリーンディーゼルターボだ。
ランクル300のエンジンは、V型6気筒の3.5Lガソリンツインターボと、3.3Lクリーンディーゼルツインターボだから、250は大幅にコストダウンされている。グレードの比べ方によっては、ランクル250の装備が300以上に充実するところもあるが、エンジンの違いを考えると300が割安で250は割高になる。
■原材料費や輸送費高騰以外にもある値上げの理由とは?
以上のように、今はさまざまな新型車で値上げが実施されている。値上げの主な理由は、メーカーが説明するように「円安傾向の影響を含めた原材料費の高騰や輸送費の増加」だが、それ以外にも理由はある。
まず、一部の車種では今でも納期の遅延が残っていることだ。納期が遅れていると、積極的な販売促進は困難だから、1台当たりの利益を確実に確保したい。価格を高めて、値引きは少なく抑える必要が生じる。
また、同じカテゴリーの車種が割安な価格で頑張っていると、自社製品が値上げすれば、それが目立って販売面で不利になる。しかし、先に述べたようにアルトの最低価格が100万円を超えると、軽自動車全体の価格体系も高まるため、ほかの車種が値上げをしても目立ちにくい。
カルテルのようにメーカー同士で価格を連携して決めているわけではないが、結果的にはそれに近い状態になっている。特に国内向けの軽自動車やミニバンでは、互いに各車種の開発コストや得られる利益がわかるため、値上げする時の足並みも自然にそろってしまう。
クルマの世界では「互いに示し合わせたのではないか?」と邪推したくなる場面は多い。例えば、フルモデルチェンジの時期だ。2020年にはコンパクトカーのヤリス、ノート、フィット、ソリオが一斉にフルモデルチェンジを行った。
2022年には、ミドルサイズミニバンのノア/ヴォクシー、セレナ、ステップワゴンが一斉に新型になっている。この点について商品企画担当者は「各メーカーが同じお客様に向けて同じカテゴリーの商品を開発すると、同時期に同様のことを考えながら作業を進める。そうなると発売時期まで自然に近づいてしまう」と説明した。
値上げも同様だ。車両を開発する環境は、各メーカーとも似ているから、足並みも結果的には揃う形になる。そして直近でも原材料費の高騰などを含めた開発環境は変わっておらず、今後もしばらくは値上げが続くだろう。
【画像ギャラリー】正直ホント高くね!? [新型フリード]から[ランドクルーザー250]まで……なぜ[新型車]は一斉に大幅値上げするのか?(8枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方自動運転やら衝突軽減ブレーキやら、いっぱいあれこれつけたから高価になったんとちがいますか?それから今のデフレ時代でも車だけは値下がりしていない。ジャパネットで車売れば安くなるんじゃない?
高くなった・・っていうより日本人の給料が上がってないならそう感じるだけでは?。
なにしろ増税大好き魔の岸田政権ですから。