日産はなぜe-POWERを開発できたのか? 逆転の発想で王者トヨタに大勝利!?

なぜe-POWERはここまでヒットしたのか

人気ミニバンのセレナにも2018年3月にe-POWERを追加。現在、e-POWER搭載車はノートとセレナの2車種のみだが、これに続く車種があるかどうかも注目だ

 e-POWERは、EVの走行特性である「静かで加速が良く、ガソリン車に比べて振動が少なく、空気の中を進むような滑らかなドライブフィーリング」を持っていた。

 上記はもちろんであるが、e-POWERの最大の勝因は、「ハイブリッドカーは燃費が良いけれど高い」というイメージを覆したことにあるだろう。

【ガソリン車とHVの価格差例】

ノート X DIG-S/173万8800円(1.2Lエンジン+SC:98ps)
ノート e-POWER X/195万9120円
(※2016年11月発売時価格)

ヴィッツ 1.3F/148万1760円(1.3Lエンジン:99ps)
ヴィッツハイブリッドF/181万9800円
(※2017年1月発売時価格)

 e-POWERは、トヨタやホンダのハイブリッドシステムのように、状況に応じてエンジンの動力で駆動を回すことをせず、割り切って常にモーター駆動とした。

 これにより、複雑なハイブリッドシステムが不要となり、コストを低く抑えることができたのだ。

 また、e-POWERをハイブリッドと呼ばず、「e-POWER」という新しいシステムだと、日本人へ印象付けられたことも、e-POWERが成功した理由の一つだろう。

◆  ◆  ◆

 e-POWERは日産の国内市場における救世主となった。

 現在は、ノートとセレナに採用されているが、勢いのあるうちに、他車種への水平展開を行うべきだと筆者は考える。

 というのも、良いものに飛びつく人は飽きるのも早い。日産も、もちろんその点は理解しているだろう。

 次世代型「e-POWER」開発が水面下で行われていることを期待したい。

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