バカ売れ中のWR-Vだが、ロッキーライズ並のコンパクトサイズかといえばそうではない。ワンクラス上のヴェゼルとほぼ同じ大きさなのだ。それでいて209万円スタート、しかも電子パーキングブレーキでないためブレーキホールド機能こそ装備されないが、先進安全装備だって十二分。と考えるとコスパ最強でもしやヴェゼルがかなり窮地では? というお話。
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■じつはヴェゼルとほぼ同じサイズ!! 想像以上に立派だった
今年の3月にホンダがリリースした、新たなクロスオーバーSUVであるWR-V。発売から1ヶ月の間で約1万3000台もの受注を集め、計画月販台数3000台の4倍以上を上回る好調なスタートを切った。
そんなWR-Vはエントリーグレードである「X」が209万8800円と低価格であることが人気の大きな要因のひとつであることは間違いないが、低価格のモデルだからコンパクトなボディサイズなのだろうと思っている人も多いのではないだろうか?
しかし実際のところは全長4325mm×全幅1790mm×全高1650mmと意外にも立派なボディサイズを持っており、このサイズはホンダのもうひとつのクロスオーバーSUVであるヴェゼルとほとんど同じものとなっているのだ。
■ヴェゼル立ち位置謎に!? いやいやしっかり性格分けしてるんです!!
現在2世代目モデルが販売中のヴェゼルは、元々はフィットとプラットフォームを共有するコンパクトなクロスオーバーSUVとして、エントリーモデルの役割を担っていた。
しかしWR-Vが登場したことによってそのポジションを奪われただけでなく、ボディサイズもほぼ同じということになってしまった現在、ヴェゼルの立ち位置があやふやになってしまうのではないかという声もある。
ただホンダとしてはその辺りはしっかりと作り分けをしているようで、WR-V登場後の今年の4月に発表されたマイナーチェンジで、ヒッソリとヴェゼルのガソリン2WDモデルをラインナップから外しているのだ。
これは、安価な2WDのクロスオーバーSUVが欲しいならWR-Vがありますよ、ということで、自社でバッティングすることを避けた結果であることは間違いない。
■4WDはヴェゼルだけ!! 細かいとこの棲み分けがお見事
また2WDのみのラインナップのWR-Vに対し、ヴェゼルにはガソリンモデルの4WDも用意され、2モーターのe:HEVと呼ばれるハイブリッドモデルもラインナップするなど、明らかに上級車種として差別化を図っているのである。
そのため、ボディサイズこそ近いものの、ライトでカジュアルなクロスオーバーSUVが欲しければWR-Vを、上級で所有欲を満たしてくれるクロスオーバーSUVが欲しければヴェゼルを選ぶことができるようになっているためメーカーとしても同じパイを奪い合う形にはならず、ユーザーはより選択肢が広がることになり、互いにWIN-WINな状況になったと言えるのだ。
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