■鈴木直也に訊いた!「プレマシーの評価が高いですが、その理由は?」
国沢光宏さんはプレマシーに4点と低い評価です。国沢さんによると「このカテゴリーは安くなきゃだめ。SKYACTIVとアイドリングストップ機構を積んだのに燃費はそんなによくないし、サードシートも狭い。プレマシーが1位になったら読者が納得しないでしょう」。この評価を聞いて鈴木直也さんは反論しますか?
ファミリーカーとしてのミニバンが欲しいユーザーは、ふつうセレナやノア/ヴォクシーなど全高1.7m超のミニバンを買うはず。ユーティリティを考えればソッチのほうがずっと使い勝手がいい。だから、あえて、ちょっと背の低いこのクラスのミニバンを選ぶ人は、このクラスでないと得られない「ナニか」を求めているんじゃないかな?
いまはエコ・コンシャスな時代だから、その「ナニか」の最大公約数はまず燃費のよさ。プリウスαに最高点をいれたのはそれが理由です。では、その次の「ナニか」は?
ここでぼくが大事にしたいのは、質の高い乗り心地と操縦性。プレマシーは、そこの部分がとても丁寧に仕上げてあるんですよ。
走りというと、すぐスポーツドライビングに短絡する人が多いから念のために言っておくけど、家族を乗せるミニバンなんだからワインディングを振り回してどーのこーのという話じゃないよ。
むしろ、ゆったり大らかに反応する自然な操舵感覚や、それなりのロールを許すサスストロークの使い方など、ファミリーミニバンとして2列目3列目の人を不快にさせない足のセッティングがすばらしい。
ソコを多くの人に知ってもらいたいから高得点を与えているんです。たしかに、SKYACTIV化された最新モデルでも、燃費は大したことないのは事実。ココはぼくも物足りない。
でもプレマシーにSKYACTIVディーゼルが搭載されたら、このクラスの台風の目になると思わない?
実際、来年秋頃に発売予定のデミオベースのSUV、CX-3には1.5Lディーゼルが載るっていうし、アテンザやCX-5に搭載されている、2.2Lディーゼルだって現実的に積めないことはないでしょ。下からのトルクもあるし多人数乗車でもかなりいい走りをすると思うよ。今のプレマシーでも足はいいけどね。CX-5ディーゼルのようにヒットするんじゃないかな。
そういう期待を込めての8点と理解くだされ。
■渡辺陽一郎に訊いた!「ウイッシュは5ナンバーミニバンとして実力ナンバー1なのか?」
最近はミニバンの販売も二極分化して、全高が1700mmを上まわる5ナンバー車は好調。背の低い車種は伸び悩む。その理由は、3列目の居住性や畳んだ時の積載性を重視するユーザー以外、ミニバンを買わなくなったからだ。多人数乗車が不得意で、自転車も積めないミニバンは魅力が薄れた。
しかし背の低いミニバンには、「3列シートのワゴン」という別のニーズも生じている。今はミニバン人気に押されてワゴンの選択肢が激減。特に5ナンバーワゴンは少数で、ウイングロードなど商用バンとボディを共通化した車種もある。本来なら手頃な価格のミドルサイズワゴンを買うユーザーが、背の低いミニバンを求めるようになった。
このニーズに最適なのがウィッシュ。3列目は窮屈だが、5ナンバー車でも1/2列目は快適。質感も相応に高い。加えて価格は安く、1.8Xは安全装備を充実させて185万円だ。カローラフィールダー1.8Sに比べて、3列目のシートを備えながら20万円近く安い。「ポスト5ナンバーワゴン」としては最適で高く評価した。
ライバル車のストリームも走行性能はウィッシュを上まわって魅力的だが、今の日本車でエコカー減税の対象外では推奨しにくい。グレードも上級を除いて廃止され7点に抑えた。
オデッセイやエクシーガは3ナンバー車で価格が高い。プリウスαも改良された今でも割高で、ベース車のプリウスが格安だから相対的に魅力が下がる。
ただしプレマシーとラフェスタハイウェイスターは、スライドドアも付いてミニバンの機能を満たし、運転感覚は上質。価格も割安だから、3列目は狭いがクルマ好きに推奨できる。
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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