2024年4月、ホンダ ヴェゼルのマイナーチェンジが発表された。フロントグリルやバンパーのデザインやリアコンビランプの変更でシュッとした二枚目っぷりに拍車のかかったホンダ ヴェゼルに早くも試乗してきたのだが、あまりにも洗練された走り心地、デザインに思わず言葉を失ってしまいそうであった…
※本稿は2024年6月のものです
文:梅木智晴/写真:ホンダ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年7月26日号
■デビューから3年….. ついにヴェゼルがマイナーチェンジ!
ホンダの中核を担うコンパクトサイズのSUVがヴェゼル。全長4340mmでWR-Vよりチョイ大きく、ZR-Vよりひと回りコンパクト。
全高が1650mmあってボリューム感あふれるWR-Vに対し、ヴェゼルの全高は1590mmでシュッとスマートでアーバンな雰囲気を感じさせるSUVだ。
そんなヴェゼルも2021年4月のデビューから3年が経ってマイナーチェンジを実施。フロントマスクのデザインを変更したことで、シャープな表情となって洗練度が増した印象だ。
ヴェゼルには1.5Lガソリンエンジンを搭載する「G」グレード(4WDのみでFFはない)が設定されるが、販売の中心は専用1.5Lエンジンと組み合わされるe:HEVモデルだ(FF、4WDを設定)。
■上質になった乗り心地と操縦性を実感せよ!!
走り出すとスーッと滑らかな乗り味が印象的。e:HEV ZのFFモデル以外は足回りのチューニングに変更は加えていないというのだが、他のモデルでも明らかに足の動きがスムーズになった印象。
路面の小さなギャップを通過する際のゴツゴツ感が減少した。車体側の防振性能の引き上げなどが効いているのだろう。
山道に入って右へ左へとコーナーを走り抜けると、操舵に対するフロントの反応が素直で曲がりやすさを感じる。特にこれは18インチタイヤを履くe:HEV ZのFFモデルで顕著。
SUVとは思えぬ軽快なフットワークで、箱根のタイトな山道を楽しく走ることができた。
FFモデルでは、フロントショックアブソーバーの伸び側減衰力を緩めるとともに縮み側の減衰を若干強めて前輪の接地力を高めるチューニングを施したのだという。その効果なのだろう。
新設定されたHuNTパッケージはe:HEV Xに設定される、専用カラーのインテリアに撥水&撥油シート表皮を採用するアウトドアテイストのニューモデル。
都会派イメージのヴェゼルには異色の組み合わせだが、プラス11万円でちょっと違ったヴェゼルを手に入れられるのは嬉しい。
■ここが気になる! ヴェゼルの18インチの謎!?
最上級グレードの「e:HEV Z」のタイヤは225/50R18。この18インチタイヤには「ミシュランプライマシー4」と「ブリヂストンアレンザ」の2種類が設定される。
試乗を終えて操安担当のエンジニア氏に話を聞くと「4WDにはミシュランプライマシー、FFにはブリヂストンアレンザを履かせています」と言うではないか。
たしかにミシュランはトレッドがしなやかに粘るような操舵感なのに対し、ブリヂストンはトレッド剛性が高く、操舵に対しノーズの反応が機敏だなと感じていた。
これはFFのサスセットを変更したことと関連していて、より最適なタイヤを組み合わせたのだという。一方、4WDは従来から採用するミシュランが最適な組み合わせだというのが開発陣の答えだ。
●ホンダ ヴェゼルのラインアップと価格
・G(4WD)264万8800円
・e:HEV X(FF)288万8600円
・e:HEV X(4WD)310万8600円
・e:HEV X HuNTパッケージ(FF)299万8600円
・e:HEV X HuNTパッケージ(4WD)321万8600円
・e:HEV Z(FF)319万8800円
・e:HEV Z(4WD)341万8800円
・e:HEV Z PLaYパッケージ(FF)355万6300円
・e:HEV Z PLaYパッケージ(4WD)377万6300円
●ホンダ ヴェゼルのここがポイント!
・アウトドアテイストの「HuNTパッケージ」をe:HEV Xに新設定
・全モデルに4WDを設定。4WDは制御を見直し、よりトラクション能力が高まった
・防振、防音性能を引き上げ、室内の静粛性、乗り心地を向上
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