最先端のソーラーバッテリー「ペロブスカイト太陽電池」について、皆さんはどの位ご存じだろうか。というより、存じ上げている人の方が少ないのではないだろうか。太陽光パネルの一種なのだが、これがまた恐ろしく優秀なのである。今回はこの「ペロブスカイト太陽電池」を皆で探っていこうではないか。
※本稿は2024年6月のものです
文:西村直人/写真:日産、レクサス、マツダ、テスラ、AdobeStock、ベストカー編集部 ほか(トップ画像=Moose@AdobeStock)
初出:『ベストカー』2024年7月26日号
■EV時代の高効率太陽電池
由来は鉱物名称ペロブスカイト(灰チタン石)と同タイプの結晶構造から。特徴は高密度、高い光の吸収力、優れた電荷の活性化。
筆者がペロブスカイト構造を知ったのは2005年、ダイハツ主催の「スーパーインテリジェント触媒勉強会」の場。希少金属の白金やロジウムを酸化イオンと結合させた独自の結晶をペロブスカイト型結晶と呼んだ。
ペロブスカイト太陽電池とは、ペロブスカイト構造の利点である元素の自由な配置特性を活かし、現在主流のシリコン太陽電池よりも、軽く、薄く製造でき曲げにも強く、肝心の発電効率が20%以上高められる。
仮にプリウスPHEVなどが天井に装着する太陽光パネルをペロブスカイト太陽電池に換装すれば暗い場所での発電効率が上がる。しかし紫外線などの影響を受けやすく、耐用年数がシリコン太陽電池の1/4程度と課題も残る。
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