夏休みにクルマでの遠出を計画している人も多いはず。しかし出費はできるかぎり抑えたい。そう考えている人に向けて、高速道路の割引をうまく使う方法を紹介したい。割引で浮いたお金でお土産も増やせる?
文/長谷川 敦、写真/写真AC、イラストAC
【画像ギャラリー】知らなきゃ損する!! 高速道路の割引制度(11枚)画像ギャラリー■高速道路の割引はなぜ可能なのか?
基本的に高速道路で適用されるのはETCを使った割引だ。
念のため説明しておくと、ETCとは高速道路の料金所を係員とのやりとりなしで通過するシステムで、現在の日本国内では公道を走るクルマの約95%に搭載されている。
ETCにはクレジットカードが紐づけされていて、料金の支払いが自動的に行われるため割引の適用もしやすいということだ。
2009年3月から、全国の高速道路は休日限定で上限1000円という政策が施行されたこともあったが、これもETCを搭載したクルマのみが対象になっている。
なお、この高速1000円政策は2年3カ月続いたが、深刻な渋滞を引き起こしたり、他の公共交通機関に影響を与えたりなど、必ずしも成功とはいえなかった。
現在行われている高速道路の各種割引はここまで極端なものではないが、うまく利用すればかなりの節約になる。
次の項から具体的な割引を見ていきたい。
■ETC割引にはどんなものがあるのか?
ここからは具体的なETC割引を紹介していくが、エリア(管轄高速道路会社)によって内容が異なる場合があるので注意してほしい。
●休日割引【割引率30%】
土・日・祝日のみに適用される割引で、対象となるのは普通車と軽自動車、そして2輪車。
対象高速道路会社はNEXCO東日本、中日本、西日本だ。
ただし東京&大阪の都市近郊では適用されず、年末年始とゴールデンウイーク、そしてお盆期間中はこの割引は行われないので事前の確認は必要。
●平日朝夕割引【割引率30%、50% ※利用回数により変わる】
祝日を除く平日の朝と夕方の特定の時間にのみ割引されるプランだが、1日に1回しか適用されず、朝にこの割引を使ってしまうと夕方には利用できない。
この割引を利用するにはETCマイレージサービスの事前登録が必要で、7~9時、あるいは17~20時に高速道路入口か出口の料金所を通過すると割引が受けられる。
対象はNEXCO東日本、中日本、西日本エリアを走るすべての車種となるが、休日割引、深夜割引、アクアライン割引との併用はできない。
●深夜割引【割引率30%】
平日の0~4時に、すべての車種が対象となる割引。
この時間にNEXCO東・中・西日本が管轄する高速道路を利用すれば30%の料金割引が受けられ、走行距離や割引適用回数の制限もない。
深夜割引を利用したい人は、0~4時の間にETCの入口か出口を通過する、あるいは0~4時をまたいで走行すればよい。
なお、京葉道路・第三京浜道路・横浜新道・横浜横須賀道路は割引の対象外となる。
●アクアライン割引
東京湾をまたぐ東京湾アクアラインで適用される割引で、1997年の開通当初は普通車で4000円だった通行料金が800円に減額される。
軽自動車は640円、中型車、大型車、特大車もそれぞれ本来の料金より割引されている。
ちなみに現金で支払いを行う場合は普通車で3090円の通行料金が必要なので、アクアライン割引がいかにお得なのかわかるはず。
ただし、2023年からは休日午後の渋滞緩和を狙い、普通車の料金を13~20時は1200円に上げ、20~0時を600円に下げるという実験が行われている。
●エリア限定割引
アクアライン以外にも、次のエリアで通行料金の割引が実施されている。
・外環道迂回利用割引
首都高速道路都心環状線内の出入口を発着し、東京外環道を1JCT間のみ迂回利用して放射高速道路(※東京外環道以外)を利用すると受けられる割引で、迂回路を利用しても直行航路と同額の料金が適用される。
同様の割引に千葉外環迂回利用割引もある。
・関越特別区間割引
東京と新潟をつなぐ関越自動車の水上IC~湯沢IC間で適用される割引。普通車と大型車は約38%の割引が受けられる。
・ETC2.0割引
新規格のETC2.0を使用しているクルマには、関東の圏央道と新湘南バイパスの特定区間で約20%の割引が適用される。
ここまで紹介した各種割引のなかで、特に時間帯で適用される割引は、その時間帯内でETC料金ゲートを通過することで適用される。
これが大型車の時間待ち駐車などの問題を起こしているケースもあるが、せっかく利用するのであれば、料金所の通過時間帯を間違えないよう注意してほしい。
また、併用不可の割引もあるので、事前にNEXCOのウェブサイトなどで確認しよう。
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