スバル車がハンドルを「重め」にする理由とは?
では、なぜスバルはハンドルを重たくしているのか?
「スバリスト」と呼ばれるスバルファンは、新型車には常に、歴代のスバル車の匂いを引き継いでもらうことを望んでいる。
例えば、水平対向エンジンやシンメトリカルAWD、スポーツモデルにはビルシュタイン製ダンパー、どろどろとした排気サウンド、などだ。
そして、ハンドルの重さについても、「スバル車は重たいからこそ良い」という、いわば「イメージ」がある。そのため、スバルとしては、世界の流行は知りつつも、「軽いハンドルの操舵力」には、なかなかできないのであろう。
スバルのエンジニアの方と話した際、スバルファンのために、「スバルらしさ」の演出には非常にこだわっており、実はそこがスバル自らの大きな呪縛にもなっている、と語っていたことを覚えている。
もちろん、重たいハンドルには、高速走行時にハンドルを切り過ぎないために直進性が良い、などメリットもある。
しかし、ハンドルの操舵力が軽くとも、直進性が良い車はある。昔からのファンは、「ハンドルが重たいのがスポーティカー」だと刷り込まれている方も多いという。そして、疲労軽減のために軽くすると、その辺の軟弱な国産メーカーになってしまったと、嘆くという。
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最近、10年以上前のBMW 330iに乗る機会があったが、重ステかと思うほどにハンドルが重たく、両手で力を込めてやっと据え切りが出来るほどだった。
これは極端な例だが、スバルとしても流行の「軽い操作力のハンドル」に向かっていきたいと、きっと考えているはずである。
電動パワーステアリングであれば、例えば「120km/h走行時の操舵力は重ために」、「20km/h以下での操舵力は軽めにする」など、車速に感応して操舵力を自由に設定することもできる。
だが、あえてそうしないのは、ファンのことを第一に考えた、「スバル流のおもてなし」の表れなのであろう。
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