■NISMOモードでの走りは後輪主体の駆動力配分でR35 GT-R風味!!:斎藤 聡
何より4WDの制御の巧さに驚かされた。搭載する駆動用モーターは、フロント136ps/30.6kgm、リア82ps/15.3kgm。
本来は前輪寄りの駆動配分のため、操縦性も前輪主体の4WDだろうと思っていたのだが、走らせてみるとECOは70対30くらいの駆動配分を持つ前輪主体のフルタイム4WD、NORMALは50対50のセンターデフ式フルタイム4WDのよう。
そしてNISMOは30対70くらいの後輪主体の駆動配分感を持った4WDで、操縦性はR35 GT-R風味。
モードの違いは操縦性にも表れていて、ECO→NORMAL→NISMOとモードを変えていくとコーナーで前輪の負担が少なくなっていき、旋回スピードも上がっていく。
しかもNISMOモードはスラロームでリアタイヤが軽くスライドする。モーター駆動4WDのセッティングひとつでこれほど自在な操縦性を作り出せることに驚かされるとともに、モーター駆動4WDの可能性を感じるクルマに仕上がっている。
蛇足ながら、乗り心地もしっとりとしていて上質。突っ張るような硬さがなくしなやかにタイヤが路面をとらえてくれるような接地性を見せてくれる。NISMOシリーズでは最も安価なモデルだが、NISMOらしい走りのチューニングが惜しむことなく盛り込まれている。
●POINT採点チェック
・ハンドリング……10点
・加速性能……8点
・静粛性……8点
・内外装質感……8点
・乗り心地……8点
・コストパフォーマンス……10点
■110kgほどの重量増を乗り味の高級感につなげているのはさすが:橋本洋平
ノートでオーラでNISMOで4駆という、つまりは全部盛りが選べるようになったことが今回のマイナーチェンジのトピック。
ノートにもオーラにも4駆があったのに、NISMOだけは速さがなくなるからダメとGOサインが出なかった4駆。けれども今回は基準車から50%もリアトルクをアップ! それを速さだけでなくハンドリングにも活かしたところがなかなかの好感触。
アクセルを入れていくとテールが巻き込むように動き、ニュートラルにスラロームを駆け抜けられるところが面白い。旋回Gはかなり高くなるから、レカロシートは必須か!?
これで雪上でも行こうものなら、フルカウンターでコーナーを駆け抜けられるに違いない!? それほどに期待できちゃう動きを展開してくれるのだ。
電動車ならではの応答のよさもあるし、コントロールする楽しみはかなりありそう。
ウイークポイントは2駆よりも110kgほど重たくなってしまうこと。俊敏さは劣ることになる。けれどもその重さがしっとりとした動きにも繋がっており、小さな高級車って感じの乗り心地を生み出していることも確か。
もうチャキチャキだけのNISMOじゃない。あとは回生量コントロールのパドルと、音の演出が欲しかった。全部盛りには必須だ。
●POINT採点チェック
・ハンドリング……9点
・加速性能……9点
・静粛性……9点
・内外装質感……7点
・乗り心地……8点
・コストパフォーマンス……6点
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