ボルボが、2030年までのEV専業化を断念すると発表した。でも同じ目標を持っているメーカーはほかにもある。そういったメーカー、たとえばメルセデス・ベンツやフォードは、今どんな動きなんじゃろね?
文:ベストカーWeb/写真:ボルボ、メルセデス・ベンツ、アウディ、ベストカーWeb編集部
■メルセデス・ベンツもフォードもすでに白旗?
2030年までに完全なEVメーカーになると公言していたボルボが、この目標を撤回すると明かした。
同社がこの宣言を行ったのは2021年3月のこと。もともと安全や持続可能性に敏感なブランドだっただけに、多くの人がボルボの決断を好意的に受け止めたが、やはり内燃機関からEV専業へとすんなり事態を移行させることは困難だったようだ。
実は2030年EV専業を諦めたのはボルボが最初ではない。内燃機関自動車のパイオニアであるメルセデス・ベンツは、一足早い2024年3月に同様の発表を行っている。
さらに欧州市場を2030年には完全電動化するはずだったフォードについても、2024年5月に「2030年以降もガソリン車とハイブリッド車を販売することを検討」と内情を明かした。
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いっぽう2025年のEV専業化を目標とするジャガーについては、今のところ断念の声は聞こえてこない。同社はまもなくXJシリーズの後継となるサルーン系のEVを発表するといわれているが、それでもEVラインナップがIペイスと合わせて2車しか存在しないため、ハイブリッドをEVとして扱うのではないかという噂もある。
いっぽう撤回ほどではないが、不安材料を抱えるメーカーもある。それが2033年までにエンジン車生産を段階的に廃止するとしているアウディだ。
同社は今年3月、ゲルノート・デルナーCEOがこの計画に対して「柔軟に対応する」をコメントしていたが、最近になって、大型EV「Q8 e-tron」を生産するベルギー工場を閉鎖するという噂が流れ、これまたEVビジネスの危うさを露呈させる展開となった。親会社のVWが自国工場閉鎖を検討していることもあり、余談を許さない状況だ。
こうした各社の動きを通じて、2030年の自動車像がじわじわと浮き彫りになりつつある。2030年にはBEVのシェアこそ伸びているものの主役を務めるには至らず、ハイブリッド、なかでもプラグイン・ハイブリッドが大きなシェアを占めるのではなかろうか。
いうまでもなく、ハイブリッドでは日本メーカーにも勝機はある。躍進に期待しよう。
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