今や国産でかつ新車で買える5ナンバーセダンは数えるほどだが、かつては相当数存在した。しかも個性派もかなりあり、とくにマツダ レビューはご覧の通り今思えば攻めに攻めていたのだ。しかもマツダを救った初代デミオのベースでもあり、かなりの功労者でもあるのだ。そんなマツダ レビューを令和の今改めてレビューしちゃお!!
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
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マツダを代表するコンパクトカーであったデミオ(現MAZDA2)は、初代モデルが空前の大ヒットとなり、その当時、経営難に陥っていたマツダの救世主となったことでも知られている。
そんな初代デミオだが、実はこの車種が存在していなかったら世に生まれていなかったかもしれない。そのモデルが1990年9月にオートザムブランド向けに投入されたレビューである。
ちなみに記事タイトルには「レビューをレビューする」とあるが、オートザム・レビューは歌と踊りを主体とした軽音劇を意味するフランス語の“Revue”が由来であり、批評を意味する“Review”ではないので念のため。
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レビューの販売チャンネルは当時のマツダ5チャンネル体制から生まれたオートザム店であり、オートザム店は1989年にスタート。当時はオートザム店専売モデルとしてリリースされたキャロル(2代目)に代表される軽自動車か、正規輸入権を取得していたランチア車の2択という極端なラインナップとなっていた。
その極端なラインナップの間を埋めるために投入されたレビューは、大別すれば4ドアセダンにカテゴライズされるが、その実は丸みを帯びて背の高いスタイルと短いトランクを持つ2.5ボックスセダンとも呼ばれる独特なスタイルを持っていた。
背の高いスタイルは乗員をアップライトに座らせることができたため、3.8mという短い全長ながら大人4人とスーツケース2個を飲み込むトランクスペースを実現する優れたパッケージングを持っていたのだ。
また一部グレードにはルーフ部ほぼ全面がキャンバストップとなる仕様も用意されており、前から後ろへ開けることはもちろん、後ろから前にも開閉可能で、中間位置に置くこともできる遊び心溢れるものとなっていたほか、本革シートを標準装備した上級グレードも設定されていた点も面白いところ。
パワートレインはフロントに1.5L、もしくは1.3Lの直列4気筒エンジンを横置きし、前輪を駆動させるオーソドックスなもので、トランスミッションは5速MTまたは4速ATが用意されていた。
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このようにメカニズムは飛び道具的なものを持たないレビューだったが、その優れたパッケージングを実現したプラットフォームは、初代デミオにも使用され大ヒットとなったのは冒頭にお伝えした通り。
日本ではその丸みを帯びたスタイルで女性をメインターゲットとしたこともあって爆発的なヒットまでには至らなかったレビューだが、欧州ではその実用的なパッケージングが評価されてスマッシュヒットを記録している。
なお、デビュー当初はオートザム レビューとなっていたが、1998年にオートザム店がマツダオートザム店に移行したことによって正式名称をマツダ レビューに改めている。ただ、モデルとしては大きな改良などはされずに約9年のモデルライフを全うしたのだった。
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