日産 マーチ【生産終了濃厚】

日産を代表するコンパクト2ボックスで、登録車のボトムを担っている。
現行の4代目マーチの生産を行っているのはタイの日産工場だ。海外向けのマイクラは世代交代し、3ナンバーのワイドボディをまとった。
が、日本のマーチは2010年に登場したモデルだから小型車サイズだ。全長は3.8mちょっとだし、全幅も1665mmと、余裕で5ナンバーの枠に収まる。最小回転半径は4.5mだから日常の生活シーンのなかで持て余すことはない。
エンジンはアイドリングストップ機構を加えた1.2Lの直列3気筒が主役になる。トランスミッションはCVTだ。
ただし、例外としてNISMOブランドのトップグレード、「NISMO S」を設定した。パワフルな1.5L・DOHCエンジンに5速MTの組み合わせだし、エアロパーツや専用サスペンションも装備する。オーテックジャパン扱いで持ち込み登録になるが、走りはとても楽しい。今では少数派となったボーイズレーサーだ。
基本設計が古いため、先進安全装備は望めないが、日常の使い勝手はいいし、カラーバリエーションも豊富だから選ぶのも楽しいだろう。そろそろ販売打ち切りと言われているから、手に入れるなら今だ。
ホンダ グレイス【存続不透明】

メカニズムの多くを3代目フィットから譲り受けた正統派のコンパクトセダンがグレイス。
フィットと同じセンタータンクレイアウトの採用に加え、ホイールベースを70mm延ばして2600mmにしているからキャビンは広い。デザイン優先のため、頭上空間は今一歩だが、後席でも足元空間は広々としている。乗り心地もセダンらしいしなやかなものだ。
ハイブリッド車でもトランクは満足できる広さを確保した。全幅は1695mmだからすれ違いや駐車で苦労しないし、最小回転半径も5.1mだから日常の取り回し性に苦労することはないだろう。
エンジンは1.5Lの直列4気筒DOHCで、ガソリン車のほか、モーターを組み合わせたi-DCD方式のハイブリッド車も設定する。トランスミッションはガソリン車がCVT、ハイブリッド車はツインクラッチ採用の7速DCTだ。どちらにも4WDを用意するなど、選択肢は多い。
スポーティ度はフィットに一歩譲るが、快適性は上だ。主役は燃費の良いハイブリッド車だが、1.5Lの直噴ガソリンエンジンも気持ちいいパワーフィーリングだ。
グレイスは先進安全装備も充実しているし、セダンとしての車の出来も良いからドライバーだけでなく家族からも愛されるだろう。
スズキ イグニス【存続不透明】

コンパクトサイズのなかに、2ボックスとSUVの魅力を融合させたクロスオーバーカーがイグニスだ。ヨーロッパ市場をターゲットに開発されているから、パッケージングと走りに強いこだわりを持っている。
ボディサイズは軽自動車より少し長いだけだ。が、全幅は1660㎜と広いし、ワイドトレッドだから安定感がある。
もちろん、5ナンバー枠に収まる全幅だし、全長も短いから取り回しに苦労することはない。オシャレなブラック2トーンルーフを用意しているのも魅力だ。
インテリアシンプルだが、機能的なデザインで遊び心も感じられる。キャビンは狭く感じられるが、実際は不満のない広さだ。アップライトな姿勢で座り、見下ろし感覚で、ルーミーだから運転しやすい。
後席にはスライド機構があるから足元も広げられる。4人でのドライブは思いのほか快適だ。セーフティパッケージが用意されているのも嬉しい。
パワーユニットは1.2L直列4気筒DOHCにモーターのマイルドハイブリッドを搭載する。車重が800kg台と軽いから加速は冴えているし、実用燃費もいい。ヨーロッパが主要マーケットだから走りはスポーティ。フットワークは軽やかだ。
また、4WDはグリップコントロールやヒルディセントコントロールを装備していることもあり、非凡な実力を秘めている。スイフトの陰に隠れて目立たないが、良質なコンパクトカーだ。
上級のハイブリッド「MZ」ならLEDヘッドライトやパドルシフト、本革巻きステアリングなどを標準装備し、買い得感と満足感は高い。
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