EV、しかも2WDでスノードライブというと、「えー大丈夫なの?」とギモンを抱く人がいるかもしれない。そんなギモンを解くために、ボルボのコンパクト電動SUV「EX30」で真冬の上越を走ってみた。これがものすごく「目からウロコ」だったのよ!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:森山良雄
2WDのEVで大丈夫かという妙な先入観
2023年11月に日本デビューを果たしたボルボ最小の電動SUV「EX30」。日本の道にちょうどいいサイズと、補助金込みで500万円を切る価格(※地域によって違いあり)も奏功して、一時期は輸入EV販売台数で首位に立ったりもした。
そんなボルボEX30でスノードライブをする機会を得た。雪と聞くだけで犬のように駆け回る性格ではあるのだが、よく考えると不安もある。日本仕様のEX30はリアモーター駆動の2WDのみだし(RR!)、大トルクのモーターって雪上では怖いんじゃないかという妙な先入観があったのだ。
2月中旬、向かったのは北陸新幹線の上越妙高駅。駅前でEX30を受け取って、妙高山中と直江津の市街地を走ってみようという目論見だ。折しも天気予報は大雪の知らせ。よもや被害が出ないといいが試乗条件としては好都合ではある。
【画像ギャラリー】豪雪にもビクともせず! EX30の雪まみれの写真を見て見て!(40枚)画像ギャラリークルマを借り出すもなかなか走り出せず!
白状すると、筆者ツノダはEX30初試乗。駐車場でクルマに乗り込んでみたものの、戸惑いっぱなしだ。そもそもキーが単なる黒い箱で施錠開錠のボタンすらない。知らずに渡されれば鍵とすら気づかないだろう。クルマに近づけば自動で開錠され、離れれば施錠するタイプだ。
なんとか乗り込むと今度は運転席の前に計器類がない。テスラ同様、主要な設定や情報表示はダッシュボード中央の大型モニターで行う。とはいえボルボはグーグルの「Android Automotive OS」も搭載しているから、ナビゲーションやエアコンの設定は自然な会話で済む点がありがたい。
まだ走り出さない。発進しようにもスタートボタンもないしブレーキ解除ボタンもないのだ(泣)。なんとドライバーが乗り込むだけでクルマはスタンバイ状態になり、ステアリングコラムにあるシフトレバーを「D(あるいは「R」)」に入れればブレーキも解除される。偉そうに書いているが、すべて現地で広報の赤堀さんからレクチャーいただいた。
こうした新しい操作系についてはいろいろ意見もあるだろうが、オーナーとして慣れてしまえば悩むことはない。いまEVを選ぶ人は進取気鋭なタイプが多いだろうから、むしろこうしたEVらしいUIは歓迎されるはずだと思った。
【画像ギャラリー】豪雪にもビクともせず! EX30の雪まみれの写真を見て見て!(40枚)画像ギャラリー雪上運転以前にクルマがいい!
やっとのことで駐車場を出た。走り出してみると雪上うんぬん以前に、EX30の素性の良さに驚いた。
まず乗り心地が驚くほどいい。タウンスピードから高速まで、路面のギャップを実に優雅にいなしてくれる。EVならではの「無音感」もストレス低減に役立っているのだろう。ちなみにこの日履いていたのはミシュランのスタッドレス「X-ICE SNOW」で、サイズは前後とも245/45R19だった。
全長4235mm、全幅1835mm、全高1550mというボディサイズも実に扱いやすかった。「全幅1835mmはちと広すぎるかな~」と思ったのだが、ボディがスクエアで「肩幅感」を得やすい。
ドライブ中は積雪で道幅が狭くなっている場所も多かったが、そんな時でもボディ端がつかみやすいので、どこまで寄れるかが把握しやすかった。
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