ワンペダルドライブは疲労低減に効く!
上信越道に乗って妙高高原をめざす。前述の通り日本仕様のEX30はシングルモーターで後輪を駆動するRRなのだが、そのパワーは「十分」というより「強力」な印象。
状況的にアクセルを深々と踏む場面はなかったが、豊かなトルクがこんこんと湧き出てクルマを押し出してくれる。これを無音でこなすのだからEVはすごい。ちなみにスペックは272ps/343Nmだ。
インターチェンジを降りていよいよ雪道へ乗り入れる。路面は降ったばかりの雪がわずかなクルマで轍ができ始めた状態。
脳内では「RR」というレイアウトから「アクセルオンでツルッといくのでは?」などという不安がよぎるが、結論からいうと何も起きなかった。
もちろん雪上ゆえアクセルワークは慎重に行ったが、たとえばターンインの前荷重を意識しなくても、アンダーステアなどが顔を出すこともなくスムーズに曲がっていく。
コーナー後半では例によって後ろから押し出される感覚があり、狙うラインをトレースしやすい。デリケートなアクセルワークに応えるモーター制御が巧みなのだろう。背後で電子デバイスが活躍してくれていることも間違いない。ちなみに車検証で前後軸重を確認してみたら、フロント840kg、リア950kgだった。
いっぽう望外に役立ってくれたのが、アクセルオフで減速までしてくれるワンペダルドライブだ。
雪上ドライブではタイヤをロックさせないようブレーキングに気を使うが、こいつならアクセルを戻すだけでデリケートな減速Gが得られる。横殴りの雪となった直江津市街地でストップ&ゴーを繰り返しながら、制動がらくちんなことに感激した。ちなみにワンペダルはボタンひとつでON/OFFできる。
今回は100km+αの走行距離だったため、寒冷地での電費チェックまではできなかったが、エアコンを強くしたりデフロスタを全開にしても、たちまち航続距離が短くなるといった現象が起きない点は安心できた。
EVかどうかじゃなくてボルボかどうか
最後に記しておきたいのが、インテリアのしつらえについて。
もともとボルボのスカンジナビアンデザインはシンプルかつ高級感があって好感が持てたが、EX30ではサスティナブルな要素がより強くなり、ドライブ中ずっと「環境に優しいクルマに乗ってるなー」と感じられる点が新鮮だった。
たとえばドアトリムやダッシュボードの樹脂はすべてリサイクル材。しかも将来のリサイクルの手間を考えて、ドア内部にスピーカーやウインドウスイッチをいっさい埋め込まない作りになっている。それでいてチープ感は皆無。リサイクル材を使ったニットのシート表皮ともあいまって、実にシックで、モダンな車内を作り出している点がすごいと思った。
電動化というと肩に力の入った議論になりがちだが、EX30は立ち位置が少し違う。まず「社会にローダメージなクルマを作ろう」というボルボの想いがあり、そこから導かれるリサイクル性や高い安全性といった要素と同列で、電動化を指向している感じだ。
EVか否かではなく、ボルボに共鳴するか否か。そんな価値を感じさせる点からしてEX30はすごいと思った。2025年じゅうにはツインモーターのAWDモデル、さらには走破性を高めたクロスカントリーも導入予定という。そいつにもぜひとも試乗してみたい!
【画像ギャラリー】豪雪にもビクともせず! EX30の雪まみれの写真を見て見て!(40枚)画像ギャラリー









































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