“驚いた”のは予想以上のハンドリング
驚かされたのはハンドリングである。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアはマルチリンク。RVRと交互に走ったが、ボディを含めた剛性が高く、足の動きもいい。
意のままのハンドリング、という言葉があるが、エクリプスクロスは操舵に忠実にクルマが向きを変え、狙ったラインに難なく乗せることができた。
パイロンを並べてのスラローム走行ではオン・ザ・レール感覚が際立っている。軽く自然な操舵フィーリングで、群を抜くトレース性をみせつけた。
流して走っただけでは4WDであることを意識させる場面はほとんどない。それくらい自然で素直な走行感覚だ。
RVRと比べても、さらに洗練された操舵フィールと上質な乗り心地を手に入れている。
ブレーキ制御を行うAYC(左右輪間の駆動、制動力を制御するシステム)を組み合わせたS-AWCは、滑りやすい路面だけでなくタイトターンでも高い実力を披露した。
アンダーステアを上手に抑え込み、ドライバーが狙ったラインにたやすく乗せることができる。緻密なブレーキ制御によってタイトコーナーも苦手としない。
舵の利きがよく、自然なロール感を身につけているから、意のままの気持ちいいハンドリングを楽しめる。
エクリプスクロスに三菱魂は宿っているか?
また、デリカD:5のディーゼル車が得意とする急勾配の登坂路を苦もなく登りきった。最大斜度45度の特設ステージは、ガソリン車が苦手とするところだ。
だが、エクリプスクロスは難なく頂上まで上り、途中で停止してから際発進する芸当までやってのけた。乗り心地も上質である。ストローク感があり、後席でも突き上げが上手に封じられていた。
エクリプスクロスは、パジェロやアウトランダーで培ってきた卓越した4WD技術やランサーエボリューションシリーズで磨いてきた緻密な4輪制御技術を集大成したクロスオーバーSUVだ。
悪路や雪道だけでなくストリートでも安全で速い走りを実現している。三菱の英知が詰まったアクティブ派の4WDで、今から2018年春と噂されている正式販売が待ち遠しい。
- ■三菱 エクリプスクロス
- ・全長×全幅×全高:4405×1805×1685mm
- ・ホイールベース:2670mm
- ・駆動方式:4WD
- ・エンジン:1.5L直列4気筒ターボエンジン
- ・最高出力:約163ps/5500rpm
- ・最大トルク:約25.5kgm/1800-4500rpm
- ・最低地上高:175mm
- ・予想価格:250万円〜
- ・JC08モード燃費:未発表
※当初、導入発表があった2.2Lディーゼルエンジン搭載は先送り(今後追加設定の可能性あり)となり、エンジンは1.5Lガソリンターボ一本となる。
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