ホンダシティに徳大寺有恒が乗った!! 【徳大寺有恒のリバイバル試乗記】

■想像以上のキビキビさ

 シティのエンジンは”COMBAX”と呼ばれる4シリンダーの1231ccだ。ボア×ストロークは66.0×90.0という超ロングストローク型で、中、低速のトルクをアップさせる。しかも10.0というハイコンプレッションの圧縮比もトルク増大と低燃費に貢献する。

 エンジンのチューンは3種、最もパワフルなRの5MTは最高出力67馬力/5500回転、最大トルク10.0kgm/3500回転だが、スペック以上に活発で、私が最も驚いたのはこのエンジンだ。Rは6500回転あたりまでストレスなく吹け上がった。

 それはブーンという音を伴い、充分にトルクを感じさせる回転の上昇だった。ギアレシオがクロスしていることもあって、シティの加速は0~400mで18.19秒と侮れないものだ。

 高回転までとにかくよく回り、中、低速のトルクがあるから、数字以上に速く感じる。

同時開発されたオートバイモトコンポもすっぽり収まる。遊び心に溢れていた
同時開発されたオートバイモトコンポもすっぽり収まる。遊び心に溢れていた

 ホンダ車共通の4輪ストラットだが、後輪をスプリングとストラットに分け、フロアに出っ張りが出ないよう工夫している。気になるハンドリングはというと、実に軽快だ。

 かなり固められた足は背の高いシティのロールをよく抑え、想像するよりもずっと安定したコーナリングを見せる。

 半面、少々乗り心地が悪く、特に大きなうねりなどは、ホイールベースが短いこともあって苦手とする。それもボーイズレーサーのようなRの走りを考えれば、よしとできる。

 スティアリングのロックトウロックは3.4回転でパーキングスピードでも重く感じないが、もう少しスティアリング剛性を上げればさらに面白い走りができそうだ。

シティからモトコンポを出して試乗する徳さん。当時は8万円の価格だった
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