FRのアルファが復活。ーー2017年10月、アルファロメオにとって久々にFRの後輪駆動車「ジュリア」が日本で発売された。
そのジュリアをベースに作られた新型SUVが、アルファロメオ ステルヴィオだ。ポルシェ マカンなど近年、スポーツカーメーカーのSUVも続々登場しているが、FRベースの4WD SUV、ステルヴィオは“ドイツ系”にはない刺激を持っているのか?
文:西川淳
ベストカー2018年2月10日号
“背の高いジュリア”の実力は伊達じゃない!!
久々のFRサルーン、ジュリア登場で盛り上がるアルファロメオ。けれども、本命はむしろコチラ、SUVのステルヴィオだ。
ジュリア同様、新開発のFRプラットフォーム“ジョルジョ”を使う。今のところ、全グレードが「Q4」、つまり4WDとなる。ライバルはポルシェ マカンやBMW X3、メルセデスベンツ GLCだ。
内外装のデザインを含め、基本的には“背の高いジュリア”である。サスペンション形式やホイールベースもジュリアと同じ。エンジンラインナップも同様だ。ということは、ジュリア クワドリフォリオのステルヴィオ版(=高性能モデル)も存在する。
年の瀬の迫る師走、ボクがドバイ行きエミレーツ深夜便に飛び乗ったのはステルヴィオ・クワドリフォリオの国際試乗会に参加するためだった。
実はさらにその1カ月前、イタリアで素のステルヴィオを試していた。背の高いぶん、ジュリアよりもハンドリングがさらにシャープに感じられ、車運転好きにはたまらない仕立てになっていた。だから、クワドリフォリオ版の試乗が楽しみでならなかった。
510馬力の最高性能版はスポーツカー顔負け
砂漠のリゾートホテルを起点に、パールホワイトのステルヴィオQ4クワドリフォリオで走り出す。
心臓部には、フェラーリとの協力で生まれた2.9L、90度V6ツインターボの510馬力エンジン+8ATが収まる。4WDであること以外は、ジュリア版とまったく同じ仕様だ。
殺風景で乾いた埃まみれの道を小一時間ほど走ると、突然、すばらしいワインディングロードが現われた。
ドライブモードを「RACE」、変速を「マニュアル」に変え、爆音を響かせ駆け上がる。加速そのものはジュリアより安定していたが、背の高いぶん、違う質のスリルがあった。
何より驚いたのはいっそうシャープになったハンドリング。トルクベクタリングの効きがすさまじく、車体の前半ごとカツーンと内側をむく。
その動きを予測してアクセルペダルにこめる力を調整すれば、まるでスポーツカーのようにあらゆるベンドを駆け抜ける。なるほど、今、世界で最も楽しく、かつ最速のSUVだとフィアット・クライスラーグループが胸を張るわけだ。
日本導入は2018年上半期中。まずはジュリア ヴェローチェ(2Lターボ、280ps仕様)相当のグレードからやってくる。クワドリフォリオ(2.9Lターボ搭載の最高性能仕様)は、少し遅れての上陸となりそうだ。
※価格は未発表。参考までに、米国仕様のステルヴィオ スーパー(2Lターボ、280ps仕様)が4万1995ドル〜、日本円換算で約580万円〜。最高性能版のクアドリフォリオは、1200万円級となる見込み。
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