BMWは「パワフルながら賑やか」
続いてBMW 320d。松竹梅の『松』級スペックを持っており、2Lエンジンながらマツダよりパワフルな190ps/40.8kgm。排出ガス浄化システムは酸化触媒+DPF+NOx触媒。
意外なことに今回の4車種(CX-8も含めれば5車種)のなかで一番賑やかだった。しかも、たまにディーゼル特有のノック音も混ざる。考えてみたら今回試乗したエンジンのなかで一番設計が古い。遮音性能など不利なのかも。
試乗してみると、やはりパワフルだ。BMWご自慢のエンジンフィールやいかに? 意外なことにアテンザと同じレベル。ディーゼルエンジンは特性上、高回転まで回らない。
エンジン技術の高さって高回転域で顕著になってくる振動や騒音をいかに抑えるかという点にある。4000回転くらいまでなら、どこのメーカーのエンジンも振動など気にならないレベル。ということで「BMWらしさ」みたいな味はなし!
ベンツのDE「振動や騒音の質はマツダと同等」
ベンツ E220dは新しい世代の2L直4ディーゼルターボである(Cクラスなど今も従来型の2.2L直4ディーゼルターボ)。194ps/40.8kgmという『松』級のスペックを持つ。
排出ガス浄化システムは、酸化触媒+DPF+尿素SCRというオーソドックスなタイプ。尿素の補充が必要になるけれど、排出ガスを安定して浄化しようとすれば、尿素SCRに軍配上がるかもしれない(新型ボルボ XC60もNOx触媒から尿素SCRになる)。
試乗してみるとBMWより静か。本来ならCクラスが3シリーズのライバル。日本にCクラスの新世代ディーゼルは入ってきていないため、参考として格上のEクラスを持ってきたから当然か。設計が新しいためだろう。
アクセルレスポンスなどでBMWに勝る。エンジン振動や騒音の質で評価すると「マツダやBMWと変わらないですね」。組み合わされる9速ATは100km/hだと8速までしか入らないのが御愛嬌か。
注目のVWパサート、日本の道とは相性イマイチ?
そして、新参入のVWパサートである。搭載されるのはアメリカで問題起こした『EA189』(排出ガス浄化システムはBMWと同じNOx触媒)の次の世代となる『EA288』で、2L直4ディーゼルターボ、190ps/40.8kgm。『松』級だ。
排出ガス浄化システムにベンツと同じく補給の手間必要ながら信頼性の高い尿素SCRを使う。興味深いことにツインクラッチの6速DSGを組み合わせている。トランスミッションとの相性やいかに?
エンジン始動するとアテンザよりハッキリ賑やか。騒音計でチェックすると、その通りでした。走り出したら変速タイミングが「う〜ん」。1速も2速も引っ張り過ぎてしまう。
ライバルの多段ATはポンポンとシフトアップするのに、2000回転くらいまでそのまんま。決定的なのが「こもり音」。
ツインクラッチは、マニュアルトランスミッションと同じく直結(トルコン介さない)のため、微振動を伝えてしまう。
アクセル全開にすれば気にならなくなるのだろうが、低負荷で使われることの多い日本の交通モードとの相性はイマイチだと思う。加えて満を持して投入してきたディーゼルながら、存在感薄い。
車としての質感や作り込みのレベルもアテンザと互角。どうせなら2L直4ツインターボディーゼルで240ps/50.8kgmを引き出し、7速DSGと組み合わされる『Rライン』あたりを持ってくればよかったのに。今のままだと埋もれてしまう可能性大。
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