■パワーユニットの印象
アルシオーネのパワーユニットはフラット4、SOHC、ボア×ストロークは92.0×67.0というオーバースクエアエンジンで排気量は1781cc。これにターボを与えている。圧縮比は7.7と低い。パワーアウトプットは最高出力こそ135馬力だが、最大トルクは20.0kgmもあり、さすがはターボ。
今回はフルテストも行ったが、4WDモデルの最高速は186.2km/hまで伸び、FFは196.6km/hと10km/h以上速い。この最高速度の差はCd値がFFが0.29、4WDは0.32と違うからだろうか。4WDのほうが、ボディ下面の整流ができないそうだ。
最高出力は135馬力にとどまるが、200km/hに近い最高速を記録するというのはすばらしい。正直いって、どうも好きになれないボディスタイルだが、この点は凄いと素直に認めたい。
ハンドリングはレオーネの4WDに近い。つまり、ややスティアリングの初期応答が鈍い。もともとFFベースの4WDはスポーティというよりも安定した走りを持ち味とするクルマなのだ。このアルシオーネも雨天の際の安定性はさすがだ。
■アルシオーネの価値
アルシオーネは4人乗りだが、リアシートは実用上プラス2の域を出ていない。しかし、これでいいと思う。レオーネファミリーとして、4ドアセダンがあり、ツーリングワゴンを持っている以上、アルシオーネが2プラス2であってもおかしくはない。トランクルームも広くはないが、これでいい。
このクルマが富士重工にもたらした効果の大きさを考えると、自動車メーカーというものは、いつか、どこかでハイスピードカーを作ったほうがいいと思わざるをえない。
今やこのメーカーは4WDとエアロダイナミクスで、やり方は違うけれど、アウディっぽくなったのである。ただ、もしこれがスポーツだとすると、少なからずボディのムダが多く、またサスペンションの熟成もいまひとつ不足していることを指摘しておかなくてはならない。
◎アルシオーネ VR 4WD 主要諸元
全長:4450mm
全幅:1690mm
全高:1335mm
ホイールベース:2465mm
車重:1120kg
エンジン:水平対向4気筒SOHCターボ
総排気量:1781cc
最高出力:135ps/5600rpm
最大トルク:20.0kgm/2800rpm
トランスミッション:5MT
10モード燃費:12.2km/L
サスペンション:ストラット/セミトレ
価格:225万円
※グロス表記
◎ベストカーテストデータ(VR 4WD 5MT)
0〜400m加速:17秒43
0〜1000m加速:32秒93
最高速:186.2km/h
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