百花繚乱!! 2021年は純ガソリン車が輝いた最後の年…? 最も印象的な新型車は??

百花繚乱!! 2021年は純ガソリン車が輝いた最後の年…? 最も印象的な新型車は??

 2021年も1月のマツダMX-30から日産GT-RプレミアムエディションTスペックまで、約180台の新車やマイナーチェンジ、一部改良したクルマに筆者は試乗し撮影を行った。

 そこで、ここでは2021年に試乗した約180台のクルマの中から、「試乗できて良かった!」という5台をピックアップした。この5台は順位付けなどまったくなく、筆者が試乗して2021年に乗ったクルマで印象に残ったクルマというスタンスになっている。

文、写真/萩原文博

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十年後の中古車市場の主役を張るクルマ

 まず、印象に残った5台を紹介する前に2021年が自分にとってどんな年だったかを触れておきたい。

 4月、ホンダの新社長就任会見で、ホンダはまずTank to Wheelでのカーボンフリーを達成するため、「先進国全体でのEV、FCVの販売比率を2030年に40%、2035年には80%」、そして「2040年には、グローバルで100%」を目指すということを発表したことに驚いた。

 2050年のカーボンニュートラルを目指して、自動車メーカーだけでなく地球に住む人類が努力をしていかないといけないのは頭では理解をしている。しかし自分にとって“エンジンのホンダ”があと20年でエンジンを搭載したクルマを無くすと宣言したことに強い決意を感じた一方で信じられない気持ちもあった。

 当然のことながら、トレンドとして2021年もEV(電気自動車)をはじめ、PHVなど様々な電動車が登場した。しかし、個人的には2021年は純粋な内燃機関のエンジンを搭載したクルマのビンテージイヤーに将来なるのではないかと考えた。

 2035年になれば、日本国内において新車で販売できるのは電動車のみとなる。そう考えると今後新型エンジンの開発はかなり厳しくなり、その分予算もEVやFCVといった次世代車に費やされるはずだ。

 もちろん中古車ならば、購入し乗ることはできるだろうが、その時中古車で主役を張るのが2021年に登場したモデルだと考えた。そのなると2021年は純エンジン車のフィナーレの始まりの年と言えるのである。

こうして、2021年乗って印象に残ったクルマのうち3台は純粋なエンジン車、1台はハイブリッド車そして1台はEVとなった。

質感にこだわった国産ハイブリッドコンパクトのトヨタアクア

トヨタアクアの走行シーン
トヨタアクアの走行シーン

 まず印象に残ったクルマとして取り上げるのは、トヨタアクアだ。2011年12月に販売開始した初代アクアはそれまで高額だったハイブリッド車を低価格で提供し、ハイブリッド車を普及させた立役者。長期にわたって新車販売台数No.1に輝いたベストセラーカーだ。

 ほとんどの車種にハイブリッド車が設定されている中、ハイブリッド専用車の存在価値にも疑問はあったのだが、試乗してそんな疑問は吹き飛んだ。個人的には国産コンパクトカーの中で胸を張ってNo.1モデルであると人に勧められる仕上がりだ。

 初代アクアはハイブリッド車の大衆化を実現したモデルだったが、現行型アクアは走行性能、静粛性などの質感にこだわったプレミアムコンパクトへと進化している。

 ヤリスと同じTNGAプラットフォームやパワートレインを搭載しているが、リアシートの居住性が向上しているのをはじめ、落ち着きのあるリアサスペンションのセッティング。そして高い静粛性など質感が向上しているのだ。

 走りの質感の向上に関しては、上級グレードのハイブリッドシステムに採用されているバイポーラ電池の効果が大きい。初代モデルに比べて、モーターだけによるEV走行領域が拡大しているし、また、エンジンが掛かる際にも回転数が上がらないような工夫が施されているので、静粛性や振動を抑えることにもかなり注力されている。

 また、先代アクアは2WD(FF)車だけだったが、現行型アクアは4WD車も設定。リアサスペンションにダブルウィッシュボーン式を採用し、さらに安定感のある走りを楽しめる。燃費性能の悪化も少ないので、降雪地の人だけでなく、4WDを積極的に勧めたい。

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