日本再上陸のヒョンデEVに乗ってわかった最新韓国車の驚くべき実力!!

■欧州車と言っても過言ではない、その出来栄えに驚愕!

 長い前置きになった。アイオニック5である。ある程度予想していたけれど、実車を見てハンドル握って走り出したら「こりゃマズいぞ!」。ヒョンデ、衝撃を受けるくらい進化していた! 考えてみたらアイオニック5の開発主体は欧州にある開発部門。デザインも欧州。そこで仕事してるのは、BMWやアウディやメルセデス出身の人たちだという。中身は完全に欧州車です。

 そもそも見ただけで「スンゴクお金を掛けてますね!」。ヘッドライト回りひとつ取ってみても、応接室の飾りモノにしてもおかしくないレベルで精密加工されたLEDの多灯式。

アイオニック5のフロントマスク。パラメトリックピクセルLEDヘッドランプは一体型のフルLEDを採用し、コンピューター画像の最小単位であるピクセルからインスピレーションを受けて誕生したデザインだ
アイオニック5のフロントマスク。パラメトリックピクセルLEDヘッドランプは一体型のフルLEDを採用し、コンピューター画像の最小単位であるピクセルからインスピレーションを受けて誕生したデザインだ

 アウディと同じく灯体の内側に模様を入れ、しかもライトを点けるとバンパー上面が発光するというメチャクチャ凝った作り! インテリアは新世代のBMWと比べたってまったく遜色のない質感を持つ。

 明るくて開放感のあるドライバーズシートに座り、スタータープッシュボタンで起動。Dレンジをセレクトし、走り出す。電気自動車で一番難しい「走り出し時の自然な感じ&滑らかさ」を高いレベルで実現しており、電気自動車に少し詳しい自動車評論家はこの時点で感心してしまっている。興味深いのは後輪駆動のRRベースという点。理由を聞いたら「走る楽しさを追求したかった」そうな。

■WRC参戦での知見が活かされたアイオニック5の走り

試乗したアイオニック5は最上級グレードで4WD車の「Lounge AWD」(589万円)。後輪のモーターが優先される制御となっている
試乗したアイオニック5は最上級グレードで4WD車の「Lounge AWD」(589万円)。後輪のモーターが優先される制御となっている

 試乗車は前輪にもモーターが付く4WD仕様だったけれど、コーナーでアクセル踏むと、後輪から駆動力を立ち上げている。この手の制御、4WDのノウハウを持つ三菱自動車は新型アウトランダーPHEVに採用し、日産も新型ノートから後輪優先制御を入れた。どちらも絶賛されてます。

 考えてみたらヒョンデ(韓国での発音とのこと)もWRCに参戦しており、ノウハウを持っている。

 クルマの基本構造からして重い電池をホイールベースの間の低い位置に積むため、前後の重量配分が極めていい。その上で後輪から駆動力を立ち上げているものだから、アクセル踏むと気持ちよ~く曲がっていく。

 何と! ヒョンデにも「WRCのノウハウ」が入り始めちゃった。試乗車は前後モーター合わせて305psとなり、0~100km/h加速5.2秒という性能の持ち主。

■ヒョンデの最新&高コスト先進技術に驚かされまくり!!

アイオニック5の乗り心地のよさを実感していた国沢光宏氏。アイオニック5はクルマの乗り心地に関して一家言持つ国沢氏に舌を巻かせた
アイオニック5の乗り心地のよさを実感していた国沢光宏氏。アイオニック5はクルマの乗り心地に関して一家言持つ国沢氏に舌を巻かせた

 乗り心地は私ですら「このままでいいか」と思えるレベル! 欧州のノウハウを使っている現代モービスのダンパーが滑らかに動く。「ステアリングフィールいいね!」と思ったら、アウトランダーPHEVやレヴォーグのように日本車ですら珍しいダブルピニオン式のステアリング(モーターがラックに直接付いている)という。もうすべての点で「凄いね!」の連続だったりする。

 また、タイヤは内側に吸音材が入っているミシュランのパイロットスポーツEVときた(このタイヤ、高いです)。

 さらに、「ここまでやってるのね!」はアウディやBMWに採用されているコースティング(電車のような空走)の自動制御。先行車がいなければコースティング、先行車がいたら回生させて車間距離をキープする。この制御で電気自動車は電費も伸びるし、運転が楽です。

 ブレーキシステムもトヨタと同じ100%ブレーキバイワイヤ(日産やホンダも機械制御と併用)を採用しているそうな。

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