清楚な美少女から野太い中学生男子へ!! 新型ロードスターが大進化

清楚な美少女から野太い中学生男子へ!! 新型ロードスターが大進化

 2018年7月26日、商品改良を実施したマツダ・ロードスターが発売された。現行型の発売は2015年5月で、毎年コツコツと進化を続けてきたロードスターが、ここにきてググっと進化度合いを加速させてきたということか。

 とはいえ進化内容を文章で見ると、

・先進安全技術「i-ACTIVSENSE」の標準装備化
・ロードスターの1.5Lエンジン「SKYACTIV-G 1.5」の最高出力を+1ps向上の132psへ、最大トルクを+0.2kgmの15.5kgmへ
・ロードスター RFの2Lエンジン「SKYACTIV-G 2.0」の最高回転数を6800rpmから7500rpmに引き上げ、最高出力は+26ps (184ps)に、最大トルクは+0.5kgm(20.9kgm)にそれぞれ向上
・歴代ロードスターで初採用となる「テレスコピックステアリング」を全グレード標準装備
(ボディ周りの外観デザイン変更はなし)

 と、正直いって地味な進化……と思って試乗してみると、「全然違うじゃないかーーっ!」。というあたりの驚きも含めて、(ロードスターを深く愛する自動車ジャーナリスト)清水草一氏に試乗インプレッションをお願いしました。

文:清水草一 写真:平野陽


■変わったのは「フィーリングとサウンド」

 撮影場所に向かう途中、ものすごい雨が降り出した。道路は冠水寸前で「ここじゃムリ」ってことで都内にトンボ帰りしつつ、マイチェンされたロードスター(1.5L/6MT)に試乗したが、エンジンフィールがまるで変わっててビックリだぜ!!

正直1㎰/0.2㎏mの出力向上は感じ取れるものではないが、フィールの変化はかなり大きかったようで、清水氏もビックリ

 今回のマイチェンでは、「SKYACTIV-G 1.5」に、SKYACTIV-G 2.0で開発した燃焼改善技術を織り込み、全回転域のトルクを高めながら、環境・燃費性能を向上させたとのこと。

 ロードスターRF(リトラクタブル・ファストバック)に積まれた2Lは、確かに大幅にパワフルになっていたが、1.5Lのほうはというと、馬力の向上はたったの1馬力! トルクアップも0.2kgmぽっち!! そんな微細な差がわかったらソムリエになっとるわ!!!

 ところがなんと、乗ってみたらはっきり違いがわかったのですよ! ただしそれは、パワーやトルクの差ではなく、フィーリングとサウンドの違いでしゅ。

ドライビングポジションにこだわるマツダらしく、今回の改良でステアリングにテレスコピック機能が搭載された。ロードスターへのテレスコピック機能採用は歴代初

■マイチェン前はあまりに清楚だった

 マイチェン前NDロードスター1.5は、それはそれは清楚なフィーリングでした。美少女が恥じらいつつ、かわいい声でコロコロ歌うというような雰囲気で、私はそれを深く愛しておりました。

 ただ、あまりにも清楚すぎて、首都高で男汁をほとばしらせて来るぜ! みたいな欲望は湧かなかった。

 ところがマイチェン後の1.5は、清楚な美少女が、声変わりした中学生男子みたいになあっていた! けっこう野太い声で「ゴアアアア~」と吼える。

今回のマイチェンで外観デザインに変更はほぼなし。わずかにホイールが、ガンメタリック塗装からブラックメタリック塗装に変わったくらい

 スターターボタンを押してエンジン始動させた直後など、アストンマーティンみたいに「ズガァァァ~ン!!」と叫ぶ。これはかなりワルな感じでちゅ。

 声変わり男子の「ゴアアアアア~」は、高い回転まで引っ張っても同じ。おかげで回転フィールが重くなったようにも感じる。うーん、この音やフィール、どこか覚えがあると思ったら、初代ロードスターの1.6Lにかなりソックリやんけ!!

 マイチェン前ND型1.5が持っていた清楚なフィールが失われた代わりに、初代1.6のようなプリミティブな雰囲気が復活したロードスター。清楚なNDも大好きだったけど、ロードスターの原点回帰を責めるわけにもいかぬ。

「回してる感」は増したし、スポーツカーらしい適度なワル感も出た。

 結論として、「これはこれでアリ!!」というところに落ち着きました。エンジン始動時の雄たけびは、ちょっとご近所に配慮がいるかもですが。

スペックはほとんど変わらないのに、ガラッとエンジンフィーリングを変えてくるあたり、とてもマツダらしいマイチェンだ。油断ならん…

次ページは : ■いっぽう2LのロードスターRFは?

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