■2.7トンの巨体が軽く感じるベストベンテイガ!!
試乗、撮影のために借り出したモデルは、「1stエディション」2269万円。2代目になり大幅にリニューアルされている内、外装だが、とくに外観は、新設計の楕円形LEDマトリックスヘッドライトが、これまでより外側の高い位置に移動した。
リアも先代とは異なり、コンチネンタルGTと同じ楕円形のテールライトが採用された。テールゲートも新設計で、車幅いっぱいに開き、開口部は大きい。ライセンスプレートも位置を低くしたので、「BENTLEY」のエムブレムが目立つようになった。Cピラーの「1st Edition」のエムブレムも目に入る。
さらに「ブラックインスペシフィケーション」を選べば、エクステリアのクロームパーツがすべてブラックに置き換わる。最新の超高級車の世界ではクローム系をすべてブラックにする手法が人気。同じ英国の高級ブランド、ロールスロイスも「ブラックバッジ」シリーズが人気というのでこれからの高級車ブランドのトレンドになるのだろう。
ぶ厚く、ガッシリとしたドアを開け、高めのシートに乗りこむ。クッションも厚く、本革の表皮も上質だ。先代と比較するとドアトリムやハンドルは新設計。インパネも液晶画面を大きくし、見易くするなどの変更を受けている。
リアシートは2種類用意されている。標準設定は3人掛けで4/2/4の分割前倒式。リクライニングは8段階で、先代よりも可倒角度が2倍になっている。2人掛けはオプション。左右1名ずつのセパレートで膝まわりのスペースが広くなる。
イグニッションボタンを押すと、スタート準備完了。セレクターをDにシフトし、アクセルペダルを軽く踏みこむと、2.7トンの巨体は静かに、しかし力強く動き出す。モーターでの走行はEV/HV/ホールドの3パターンを切り換える事ができる。基本はEVドライブ。試乗車は100%充電状態だったので、走行可能距離は約50km。ドライビングなどの設定はB(ベントレー)モード(ベントレーのテストドライバーが「一般走行ではこのモードに合わせておけば、このモデルの乗り味を充分堪能できる」と設定した運転モード)から。操舵力はやや重め。乗り心地は硬めだがゴツゴツとした振動にカドはなかった。
スポーツモードに切り替える。EVモードでの走行は続く。音もなく、巨体は加速する。高速道路に入り、さらに加速をしようとアクセルペダルを踏みこむと、ペダルに抵抗が加わるポイントがある。そこでエンジンが始動する。
エンジンが始動してからのベンテイガPHEVも、魅力的なクルマだ。その走りの楽しさは、V6エンジンのバランスのよさだ。V8モデルよりもフロントが軽いぶん、動きに軽快感がある。全体のバランスがよいのだ。これまでベンテイガは、「V8モデル」、「スピードモデル」を試乗してきたが、このPHEVが一番乗りやすく、走りの楽しさを感じた。しかもモーターで走行すれば、排ガスも出さず、V6エンジンでの燃費も良かった。
もちろん動力性能は0→100km/hを6秒で走りきった俊足SUVだし(カタログ値は5.5秒)、最高速も254km/hを公表しているスーパーラグジュアリーSUVというポジショニングは変わらない。
大柄なSUVが軽く感じる。個人的にはベストベンテイガは、このPHEVだ。
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