■ハイブリッドモードの加速力に注目!! タイヤサイズ拡大も静粛性アップ
片や走行性能は、HEVとは全く違った。試乗車として供試されたのは、新型プリウスPHEVの2WD車、HEVと同じ19インチのYOKOHAMAタイヤだった。比較のために、先代プリウスPHVも試乗させていただいた。
また、新型プリウスPHEVでは、EVモード固定で走行、ハイブリッドモードで走行の2パターンを試してほしい、とのことだった。
EVモードでゆっくり走り出すと、30km/hを超えたところで電子音は消え、わずかな走行ノイズと共に、するすると加速していく。全開加速をしてみると、パワフルとはいえないが、先代プリウスPHVと比べて1.2倍増しで力強くなった印象だ。
アクセルレスポンスが良い上に、コーナー手前での減速時の所作(ピッチング)や、コーナリング中のボディモーションの発生も穏やかなので、全般的に好印象。17インチタイヤを装着した先代プリウスPHVよりも、静粛性が良く感じ、先代プリウスPHVからの進化が伝わった。ただしここまでは想定の範囲内。
続くハイブリッドモードで印象が激変した。アクセルを踏んでいくと、モーター特有の「グンッ」とくる強めの加速と合わせて、エンジンによる加速の伸びを感じるフィーリング。さらには、迫力ある音質のエンジンサウンドも加わり、思わず、ステアリングを握る手に力が入るほど、緊張感と爽快感を伴った加速フィーリングとなった。
これほどの加速力となると、細幅の19インチタイヤへかかる負担が大きくなることは容易に想像つく(PHEV化によって車重増加もタイヤ負担が増える要因となるはず)。
今回の試乗でも、速度を上げていくと、コーナーでフロントタイヤの左右方向の踏ん張りが心もとなく感じるシーンがあった。4WDであれば、制御で曲がる力を付加でき、ハンドリングマシンと化すだろうが、性能をどこまで欲しがるかは、ユーザーの好みによるだろう。
トヨタが「0-100km/h加速6.7秒」を謡うのは、おそらくPHEV 4WD車のほうなので、2WD車の速さはさほど期待していなかったが、乗ってみると、印象は良い意味で大きく変わった。
■コンパクトなPHEVなら激推しの一台!! 400万円台でも買い
おそらく価格は420万円~450万円あたりとなると思われ、日本でのライバルは不在。だが、グローバルでみればゴルフeハイブリッド(日本未導入)やプジョー308GTハイブリッドなど、500万円前後の欧州メーカーになるだろう。
文中で触れたように、HEVと見た目の上での差別化が少なく、若干物足りなさを感じる点もあった。だが、コンパクトなボディで、普段使いはEV走行でほぼ賄えて、いざというときには「速さ」を持ちあわせた、スタイリッシュなCセグメントセダン(ハッチともいえるか)にもなる。
新型プリウスPHEVは、クルマ好きからそうでない人まで、幅広い人におすすめできる、懐が深いモデル。特に、小さなサイズのプラグインハイブリッドが欲しい人には、真っ先におすすめしたいモデルとなりそうだ。
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