泣く子も黙る問答無用のスーパーカー、ランボルギーニ ウラカン。ランボルギーニは、このウラカンをベースとしたオフロードカーを作ってしまった! そのままズバリ「ステラート(未舗装路)」と名付けられたスーパーオフローダーでアルプスの山道を走る!!
※本稿は2023年11月のものです
文/木村好宏、写真/LAMBORGHINI、試乗/T.ガイガー(キムラ・オフィス)
初出:『ベストカー』2023年12月10日号
■陽気でアバウトなイタリアンも「なんてこった!」と叫ぶ
ランボルギーニがウラカンをベースに開発したステラート(未舗装路)は、ポルシェ911ダカールと同じコンセプト。すなわち純スポーツカーでありながら、オンロードだけでなくオフロードも走破することができる。
確かに44mm車高アップし、前後のトレッドも30mm/34mm広げ、アンダーフロアカバーやホイールアーチプロテクターなどで武装したウラカンは、以前開催されたカリフォルニア州パームスプリングでの試乗会では、砂漠の特設コースでそのパフォーマンスを垣間見ることができた。
しかし、リアルワールドでのオフロード走行はどうなのか? ランボルギーニは太っ腹にもこの疑問に答えてくれた。イタリアで標高2000mを超えるアルプスでの峠道ツアーをサポートしてくれたのである。
正確にはフランスとの国境へ続くルートで最も高い場所となる標高2042mのパッソ・デル・タナレッロ、そしてこの地方の最高峰である標高2201mのモンテ・サッカレッロを目指す。
この道は古代に地中海で取れた塩を内陸まで運ぶルートであった。頂上付近の山小屋までの一部道路は通常は森林関係車両のみが通行可能で、登山客は徒歩で登るのだが、我々は特別な許可を得てドライブする。
チェックポイントにいるイタリアの監視員はランボルギーニがやって来たのを見て「なんてこった!」と叫んだ。
彼が叫んだのは正しかった。それ以降の道は険しいなんてモノではない。何百mもの眼下に崖が落ち込み、尖った岩がゴロゴロしている狭い道路にはガードレールはない。しかも所々崩れているのだ。スポーツカーはもちろん、クロスオーバーSUVでも尻込みするほどの光景なのだ。
しかし、BS製のオフロードタイヤは確実に、そしてしっかりと路面をグリップ、マタギが苦労するような登山道を正確にトレースして行く。
ちなみにこのBSタイヤはランフラットで、もしパンクしても最高時速80kmでおよそ80kmを航続することができる。
オフロードカーで深い轍が出来上がってしまった道路を慎重に進むが、時折フロアアンダーに岩が当たる音が響いてくる。カーボン製のアンダーフロアプロテクターがなかったら、と思うとぞっとする。
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