マツダ3は「よすぎてつまらない」??

■シャシーのすばらしさにパワーが足りてない

 つまり、マツダ3のライバルはドイツ勢ということになるだろう。シャーシ性能に関しては、現行ゴルフを上回り、世界のトップなのではないか?

 ただ、パワートレインは弱い。試乗した1.8スカイアクティブDは、排ガス対策のために排気量を1.5から1.8に上げただけで、パワーやトルクはほとんど向上していない。よって加速感は「必要十分」の域を出ておらず、かなり物足りない。1.5ガソリンはもちろんのこと、2.0ガソリンも、たぶん大したことはなかろう。かつてのメルセデスのように「シャーシがエンジンに勝つ」を味わうには適しているが……。

 秋に登場するスカイアクティブXも、プロトタイプに試乗した限り、そんなにたいしたフィーリングではなかった。

 これだけのシャーシ性能がありながら、現在のマツダで一番パワフルに感じるのは2.2ディーゼルというのが実情。それを積めば不満は解消されるだろうが、お値段が心配だ。試乗した1.8ディーゼルのツーリングセレクションでも、FFで286万円ほど。最低限のオプションを装備して、乗り出し336万円という見積もりだった(値引きゼロ)。2.2ディーゼルが出たとしたら、乗り出し380万円近くなるだろう。

 それでもこのシャーシには、ゴルフGTIやRみたいな、何か強烈なパワートレインを載せてみたいという勝手な願望がもたげる。かつての「マツダスピードアクセラ」の2.3Lターボ(264馬力)のような! アレはトルクステアビンビンのじゃじゃ馬だったが、マツダ3のシャーシなら、あれくらいのパワーでちょうどいいんじゃないか?

この試乗記では清水氏はわりと無茶なことを言っているような気もするが、しかし乗ってみると本企画担当編集も「わかる」と言いたくなる。このプラットフォームに大パワーエンジンを載せてみせてほしい。絶対にすげえ楽しいから! と、走れば走るほど感じる

■いいクルマすぎてつまらない、という無茶な願い

 この、あまりにも良識的なマツダ3もステキではあるが、これだけの素材を、なんとかもっと生かせないものか。

 まあ、順当なのは2.2ディーゼルの投入だろう。おそらくスカイアクティブXでは役不足だ。

 近年のマツダは、確かに非常にいいクルマを作っているが、いまや、いいクルマすぎてつまらないと感じるようになった。

マツダは、こんなクルマ好きのワガママに応えてくれるだろうか? やっぱムリでしょうか……。

 ちなみに、いま注文して、納車は消費税アップ前ギリギリ(9月下旬)とのことでした。
(編集部注:消費税は「納車時の税率」なので、2019年9月30日までに納車されれば税率8%、同年10月1日以降の納車だと税率10%となる。300万円の車両だと約6万円差)

マツダ3/価格218万1000~322万1400円、全長4460×全幅1795×全高1440mm、ホイールベース2725mm、車重1470kg、最低地上高140mm、エンジン直4、1.8Lディーゼル(最高出力116ps/最大トルク27.5kgm)、WLTCモード燃費18.8km/L、タイヤ215/45R18(※1.8XD Lパッケージ4WD AT)

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